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【今日からできる!】高齢者が運動をすべき4つの理由とは?おすすめの運動と注意点も解説
更新日:2025-02-28

【今日からできる!】高齢者が運動をすべき4つの理由とは?おすすめの運動と注意点も解説

【今日からできる!】高齢者が運動をすべき4つの理由とは?おすすめの運動と注意点も解説

高齢になるにつれて身体の衰えを感じ、健康のために運動をはじめようと考える方もいるのではないでしょうか。高齢者が運動を行うメリットは多く、身体機能の維持に加えて、認知症の対策としても有効とされています1

この記事では、高齢者が運動をすべき理由やおすすめの運動をご紹介します。運動の具体的な効果や内容を知り、実践することで、健康な生活を維持するきっかけになるでしょう。

高齢者が運動をすべき4つの理由

高齢者が運動をすべき理由として、以下の4点があげられます2

  • フレイルの予防になるから
  • 骨粗鬆症の予防になるから
  • 生活習慣病の予防になるから
  • 認知症の対策になるから

ここでは、それぞれの理由について詳しく解説します。

1. フレイルの予防になるから

フレイルとは、心身の衰えによって健康な状態から要介護状態に移行しようとしている状態のことです。加齢とともに身体を動かす機会が減ると、筋力の低下や活動量の減少につながり、フレイルのリスクが高まります。

フレイルは以下の3つの種類に分かれています3

  • 身体的フレイル:身体的な衰えがある状態
  • 心理的フレイル:認知機能や意欲の低下がある状態
  • 社会的フレイル:社会的な接点が少なくなった状態

フレイルの予防には「栄養」「身体活動(運動)」「社会参加」の3つの柱が掲げられています。

運動によって身体機能を維持・強化することでフレイルの予防ができれば、健康寿命を伸ばしてより長く自立した生活を送りやすくなります。フレイルについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

2. 骨粗鬆症の予防になるから

運動は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防にも効果的です。骨粗鬆症とは、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気のことです。加齢や運動不足などの理由で骨の強度(骨密度と骨質)が低下すると、骨粗鬆症のリスクが高まります。

骨密度を高める方法の一つとしておすすめなのが、運動です。運動によって骨に適度な刺激が加わると、骨密度が高まるとされています4。骨粗鬆症を予防できれば、転倒による骨折のリスクを軽減でき、ケガのない生活を送りやすくなります。

3. 生活習慣病の予防になるから

運動すべき3つ目の理由として、生活習慣病の予防につながることがあげられます。生活習慣病とは、食生活や睡眠、運動習慣などの生活習慣が発症・進行に影響する病気の総称です。代表的な病気は、以下のとおりです。

  • がん(悪性新生物)
  • 心疾患
  • 脳血管疾患
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 脳卒中

運動は、このような生活習慣病の予防・改善につながるとされています。たとえば、定期的な運動は血圧を下げる効果があるとされており、高血圧の改善が期待できます。また、血糖値をコントロールするホルモンのインスリンが働きやすくなるため、血糖値の改善にも関係しているのです5,6

生活習慣病について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

4. 認知症の対策になるから

運動は認知症の対策になることも期待されています1。認知症とは、さまざまな原因で認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態のことをいいます。

認知症の発症や進行を遅らせることが期待される対策にはさまざまありますが、その一つとして運動習慣をつけることが重要とされています。実際に、運動によって認知症の発症リスクが低下する可能性があるという報告があります7

そのほかの認知症対策について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

運動が苦手な高齢者にもおすすめの運動

身体の衰えによって、運動をするのがおっくうに感じる方や、運動をすることに不安を感じる方もいるのではないでしょうか。ここでは、そのような方でも行いやすいおすすめの運動について解説します。

ラジオ体操

高齢者でも取り組みやすい運動の一つに、ラジオ体操があげられます。ラジオ体操で全身の筋肉をまんべんなく動かすことで、柔軟性の維持につながります。身体への負担も少ないため、運動が苦手な方でも無理なく行いやすいです。

また、音楽にあわせて動くことで、リズム感や全身のバランス感覚も養えるでしょう。

家で気軽にできる筋トレ

筋トレによって筋力を高めることで、身体機能の改善が期待できます。家でできる筋トレは、以下があげられます。

【膝伸ばし】
 1. イスに座って背筋を伸ばす
 2. 片方の膝を伸ばす
 3. 伸ばしきったらもとに戻る
 4. 左右の足で交互に20回×2〜3セット行う

【スクワット】
 1. イスや手すりの前に立ち、手を添える
 2. 膝がつま先の前に出ないようにしつつ、膝と股関節を曲げる
 3. 膝を90度ほど曲げたらもとに戻る
 4. 10〜15回×2〜3セット行う

【かかと上げ】
 1. イスや手すりの前に立ち、手を添える
 2. かかとをゆっくり上げる
 3. 上げきったらゆっくりと下ろす
 4. 10〜15回×2〜3セット行う

このようなトレーニングで下半身の筋力を鍛えることで、身体が安定して転倒予防につながります。どれも気軽に行えるトレーニングなので、一つずつはじめてみましょう。

ウォーキング

有酸素運動のなかで気軽に行いやすいものが、ウォーキングです。ウォーキングの継続は体力の向上につながるため、疲れにくい身体を作れます。

ウォーキングを行う際の目安は、高齢者の場合「1日6,000歩」とされています2。しかし、そこまで多く歩けない方もいるでしょう。

はじめは「1,000歩」や「5分〜10分」などを目標にしてもいいので、無理のない範囲から行うことが大切です。慣れてきたら少しずつ歩数や時間を伸ばして、ウォーキングを習慣化してみましょう。

脳も一緒に活性化する運動プログラム

高齢者の健康維持には、身体を動かしながら脳も活性化させる運動プログラムもおすすめです。代表例として、以下のような運動プログラムがあげられます。

  • ブレパサイズ(エーザイ開発)
  • コグニサイズ(国立長寿医療研究センター開発)

ブレパサイズは、音楽にあわせて手足を動かしながら、じゃんけんなどの知的課題を行うプログラムです。コグニサイズは、運動と計算やしりとりなどの課題を組み合わせたプログラムのことです。このような運動と認知課題を組み合わせた運動プログラムを実践することで、身体機能だけでなく、認知機能の維持・向上にもつながります。

ブレパサイズについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

高齢者が運動するときの注意点

高齢者が運動をする際は、注意すべきポイントを把握し、安全に取り組むことが大切です。ここでは、運動時の注意点を解説します。

無理のない範囲で行う

運動をはじめるときは、無理のない範囲で行うことが重要です。最初から運動の負荷量を高くすると、体調を崩したりケガをしたりする恐れがあります。また、身体を動かすのがきついと感じやすくなり、結果的に運動の継続をやめてしまう場合もあります。

運動をするときは、まずは身体に負担をかけにくい負荷量・頻度ではじめてみましょう。運動へのハードルを下げつつ、慣れたタイミングで少しずつ負荷量や頻度を増やすことが大切です。

栄養バランスを整える

日頃の食事で栄養バランスを整えることも重要です。栄養が十分に足りていない状態で運動をしても、身体機能の維持につながりにくくなります。反対に、運動によって筋肉量が減り、身体機能が低下してしまう恐れもあります8

とくに意識したい栄養素としては、筋肉のもととなるたんぱく質です。たんぱく質は以下のような食べ物から摂取できるので、意識的にとりいれてみましょう9

  • 魚類
  • 肉類
  • 卵類
  • 豆類

たんぱく質だけでなく、身体のエネルギー源となる炭水化物やビタミンなどもバランスよく摂取することが大切です。

持病がある方は事前に医師に確認する

持病がある方は、運動をはじめる前に必ずかかりつけ医に相談しましょう。病気の種類や症状の程度によっては、運動の制限が設けられているケースもあります。そのような制限を把握せずに運動を行うと、病状を悪化させる原因となります。

運動の頻度や注意すべき症状などを聞いたうえで、運動をはじめましょう。

高齢者こそ運動を継続して健康な身体を作ろう

高齢者が運動をすべき理由として、「フレイルの予防」「骨粗鬆症の予防」「生活習慣病の予防」「認知症の対策」があげられます。気軽に行える運動としては、ラジオ体操や家で行える筋トレ、ウォーキングなどがおすすめです。

また、身体を動かすとともに頭を使うような運動も注目されています。高齢者が運動をする際は、無理のない範囲で行いつつ、栄養面や持病の状況も考慮することが大切です。ぜひ今回の記事を参考にして、運動習慣を作るきっかけにしてみましょう。

(参考文献)

1, 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター:あたまとからだを元気にする MCIハンドブック. (最終閲覧日:2025年2月26日)

2,厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023. [https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf](最終閲覧日:2025年2月12日)

3, 厚生労働省:そのカギを握るのはフレイル予防だ. [https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202111_00001.html](最終閲覧日:2025年2月12日)

4,真田樹義:骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を. e-ヘルスネット. [https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-001.html](最終閲覧日:2025年2月12日)

5,家光素行:糖尿病を改善するための運動. e-ヘルスネット. [https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-005.html](最終閲覧日:2025年2月12日)

6,家光素行:高血圧症を改善するための運動. e-ヘルスネット. [https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-004.html](最終閲覧日:2025年2月12日)

7,長屋政博:認知症に対する運動および身体活動の効果. Jpn J Rehabil Med. 2010;47(9):637-45.

8,若林秀隆:リハビリテーションと臨床栄養. Jpn J Rehabil Med. 2011;48(4):270-81.

9,たんぱく質. e-ヘルスネット. [https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html](最終閲覧日:2025年2月12日)

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