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靴下を履いて寝るのがNGな理由とは?冬の快眠のコツも紹介【睡眠のプロ監修】
更新日:2025-01-21

靴下を履いて寝るのがNGな理由とは?冬の快眠のコツも紹介【睡眠のプロ監修】

靴下を履いて寝るのがNGな理由とは?冬の快眠のコツも紹介【睡眠のプロ監修】

冬は足先が冷えるので、靴下を履いて寝るという方も多いでしょう。一見冷え対策として効果的に思えますが、実はこの習慣が快眠の妨げになっているかもしれません。

この記事では、靴下を履いて寝るのがNGとされる理由を解説します。記事の後半では、寒い季節でも快適な睡眠を取る方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

靴下を履いて寝るのがNGな理由

靴下を履いて寝るのがNGとされる理由は、大きく3つあります。

汗が蒸発せず余計に冷えてしまう

靴下を履いて寝ることで、一時的には足先が温かく感じられるでしょう。ですが、汗が蒸発せずに、かえって足先が冷えてしまう恐れがあります。

就寝中は体温調整のため、足の裏から発汗しています。この時、脱げにくい靴下を履いていると、足に熱がこもり蒸れやすくなります。残った汗が空気に触れて冷えることで足先もかえって冷えてしまうのです。

むくみの原因になる

締め付けが強い靴下を履いて寝ると、血管が圧迫されて血行が悪くなり、むくみの原因になる可能性があります。血液循環が妨げられると、冷えの原因にもなってしまいます。

体温の調整が妨げられて睡眠の質が下がる

人間の深部体温(身体の内部体温)は24時間周期で変動しています。深部体温は、日中に上昇し、入眠時には下がるよう設計されており、深部体温が低下することで、入眠しやすい状態になります。

就寝前の入浴が快眠につながるとされるのも、入浴によって手足の血管が拡張され、熱が放散されやすくなることで、深部体温が下がり、入眠しやすい状態をつくることができるからです1 

靴下で足を覆ってしまうと、熱の放散が妨げられて靴下の中に熱がこもり、深部体温が下がりにくくなってしまいます。結果として寝つきが悪くなります。

また、睡眠中は体温が変化します。靴下によって体温調節が妨げられることで睡眠の質を低下させてしまう恐れがあります。

寒い季節に快適な睡眠を得る方法

寒い季節に快適な睡眠を取るためのポイントを紹介します。体を温めながらも体温調節を妨げない方法を上手に組み合わせて活用することで、質の高い睡眠を得られ、足先の冷えも解消できるでしょう。

レッグウォーマーで足首を温める

レッグウォーマーを使用することで、足の裏の発汗を遮らずに足を温めることができます。締め付けの少ないものを履けば、圧迫されて血液の循環が悪くなることも避けられます。

電気毛布や湯たんぽを活用する

就寝前に電気毛布や湯たんぽを使って布団を温めておくことで、快適な睡眠環境を作れます。 

電気毛布は温度調節が可能で、タイマー機能付きのものを使えば就寝中の過度な加熱を防げます。湯たんぽは昔ながらの暖房具ですが、適度な温かさが続くので人気です。ただし、直接肌に触れないよう、カバーをつけて使用しましょう。

特に高齢者は若者に比べて感覚が鈍くなっている場合もあり、やけどを負うリスクが高いです。就寝時は電源を切るか、湯たんぽを布団から出すなど、安全面に配慮して使いましょう2

ネックウォーマーで首元を温める

首元を温めることは全身の血行を促進し、快適な睡眠につながります。 

就寝時に呼吸の妨げにならず首元を優しく温めるのがネックウォーマーの着用です。首の後ろには太い血管が通っているため、この部分を温めることで効率的に冷えを防ぐことができます。

また、ネックウォーマーは寝返りを打っても外れにくく、圧迫感も少ないため安眠を妨げる心配がありません。

綿素材やシルク素材など、肌触りの良い素材を選ぶことがポイントです。

入浴やストレッチで体を温める

就寝前の入浴は体を温め、入眠を促進する効果があります3

入浴は就寝の1〜2時間前に済ませ、体温が少し下がってきた頃に就寝するのが理想的です。38〜40度のぬるめのお湯に15分程度浸かることで、体がリラックスし、自然な眠気を誘います。

また、軽いストレッチも体温を上げるのに効果的です。ただし、就寝直前の激しい運動は逆効果になるため避けましょう。

寝室の環境を整えることも効果的 

寒い冬でも快適な睡眠を得るためには、寝室の環境も整えることも大切です。

温度や湿度、光、音など様々な要因が睡眠の質に影響を与えます。

室温18~23度、湿度40~60%を目安に調節

冬季の室温は、世界保健機構(WHO)の住環境ガイドラインで推奨している18度以上を保ちましょう4

寒い部屋で寝ると、高血圧や呼吸器性疾患のリスクが高まるほか、睡眠の質も低下することがわかっています5。暖房を使って18〜23度を目安に調節してください。

湿度は40〜60%に保つことで、のどの乾燥を防げます6。温度計と湿度計を設置して定期的にチェックすると良いでしょう

遮光カーテンを利用して光を遮断

質の良い睡眠には適度な暗さも重要です。外灯や月明かりなどの光は睡眠を妨げる要因となるため、遮光カーテンを利用しましょう。

特に冬場は朝が遅いため、目覚めるタイミングを自然な光で調整したい場合は、タイマー式のカーテンや目覚まし時計と連動した照明の活用も検討するとよいでしょう3

加湿器を利用しての空気の乾燥対策

冬場は暖房の使用により室内が乾燥しやすくなります。

乾燥した空気はのどや鼻の粘膜を刺激し、睡眠の質を低下させる原因となります。

加湿器を使用する際は、就寝中も適度な湿度を保てるよう、タンクの水量や設定に気を配りましょう。また、カビやバクテリアの繁殖を防ぐためにも、定期的にお手入れして清潔な状態で使用してください7

足先や体を温める正しい方法を知って、冬の睡眠の質をあげよう

この記事では、靴下を履いて寝るのがNGとされる理由を解説しました。靴下を履いて寝ると、体温の調節が妨げられ睡眠の質が下がる恐れがあります。さらに、汗が蒸発しないことでかえって足が冷えてしまったり、むくみの原因になる可能性もあります。

睡眠の質を下げずに寒い冬でも暖かく寝る方法として、レッグウォーマーを活用するなどの方法もあります。気になる方法を組み合わせてぜひ、試してみてください。

(参考文献)

1, Haghayegh S, Khoshnevis S, Smolensky MH, Diller KR, Castriotta RJ.Before- bedtime passive body heating by warm shower or bath to improvesleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev 46: 124-135,2019.

2, 消費者庁. 高齢者のやけどにご注意ください![https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/151118kouhyou_1.pdf]. (最終閲覧日:2024年12月17日)

3, 厚生労働省. e-ヘルスネット[情報提供]. 快眠と生活習慣.[https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html]. (最終閲覧日:2024年12月17日)

4, 厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド 2023. [https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf ].(最終閲覧日:2024年12月21日)

5, 厚生労働省. e健康づくりネット. 室温と高血圧、睡眠のきっかけ[https://e-kennet.mhlw.go.jp/tools_temperature/ ].(最終閲覧日:2025年1月6日

6, Okamoto-Mizuno K, Mizuno K. . J Physiol Anthropol. 31(14): 2-9, 2012.

7, 勝井 則明, 他:気化式加湿器の微生物汚染に関する実験的研究.空気調和・衛生工学会 論文集.1996;21(61):37-44. doi:10.18948/shase.21.61_37.

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