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フレイルかどうかご自身でチェックをしてみよう!12項目でリスクを確認
更新日:2024-12-27

フレイルかどうかご自身でチェックをしてみよう!12項目でリスクを確認

フレイルかどうかご自身でチェックをしてみよう!12項目でリスクを確認

フレイルとは「健康な状態」と「介護が必要な状態」の間にある「健康リスクが高まった状態」のことです¹。

年齢を重ねると「身体と心のはたらき」や「人との関わり」を維持することが難しくなり、疲れや精神的なダメージから回復する力が低下してきます。

放っておくと、健康に過ごせていた状態から「フレイル」になり、その後、介護が必要になる状態になる可能性もあります¹。

フレイルチェックの12項目

2019年に厚生労働省が策定した「後期高齢者の質問票」は、フレイルの可能性を把握するために作成されました2

質問票の15項目のうち「フレイル関連12項目」(黄色の食習慣1項目、口腔機能2項目、体重変化1項目、運動・転倒3項目、認知機能2項目、社会参加2項目、ソーシャルサポート1項目)について、健康リスクがあると考えられる回答(回答の灰色部分)が4つ以上あるとフレイルの可能性があるとされています。

次の項目をチェックして、自分の健康状態をみてみましょう。

類型別

No.

質問文

回答

健康状態

1

あなたの現在の健康状態はいかがですか

よい

まあよい

ふつう

あまりよくない

悪い

心の健康状態

2

毎日の生活に満足していますか

満足

やや満足

やや不満

不満

食習慣

3

1日3食きちんと食べていますか

はい

いいえ

口腔機能

4

半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか

はい

いいえ

5

お茶や汁物等でむせることがありますか

はい

いいえ

体重変化

6

6カ月間で2~3㎏以上の体重変化がありましたか

はい

いいえ

運動・転倒

7

以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか

はい

いいえ

8

この1年間に転んだことがありますか

はい

いいえ

9

ウォーキング等の運動を週に1回以上していますか

はい

いいえ

認知機能

10

周りの人から「いつも同じことを聞く」などの
もの忘れがあると言われていますか

はい

いいえ

11

今日が何月何日かわからない時がありますか

はい

いいえ

喫煙

12

あなたはたばこを吸いますか

吸っている

やめた

吸っていない

社会参加

13

週に1回以上は外出していますか

はい

いいえ

14

ふだんから家族や友人と付き合いがありますか

はい

いいえ

ソーシャルサポート

15

体調が悪いときに、身近に相談できる人がいますか

はい

いいえ

引用:後期高齢者の質問票の解説と留意事項|厚生労働省より作成

フレイルのチェックをする目的

フレイルをチェックする目的は以下の通りです。

フレイルのリスクを知ること

フレイルは「転倒」「日常生活動作(ADL)の低下」「入院」「死亡」などと関連があることがわかっています¹。

フレイルのチェックを行うと、どのような状態がフレイルのリスクとなるのかがわかりやすく、自分ごととして捉えられるようになるでしょう。

自分の身体への関心を高められると、フレイル予防にも積極的になれます。

フレイルを早めに発見し介入できること

フレイルは早期に適切な介入を行えば、健康な心身に回復できる状態とされています3。

フレイルのチェックを実践すると、自分の健康状態を正しく判断できます。そのため、フレイルに早めに気づき、効果的な介入につなげやすいでしょう。

簡単にできるフレイルチェック

前項のフレイルチェック以外にも、より簡単に自身でチェックできるものがありますのでご紹介します。

ふくらはぎの筋肉量が簡易的にわかる指輪っかテスト

フレイルの状態に近づくと、身体機能の衰えとともに筋肉量が減少します。

筋肉量を簡易的にチェックするための方法が「指輪っかテスト」です4。このテストは以下の手順で行います。 

・両手の親指と人差し指で輪っかを作る

・利き足と反対のふくらはぎの一番太いところを囲んでみる

・囲んだところを判定してフレイルを3段階でチェックする 

判定方法とフレイルのリスク判定は次の通りです。

・ふくらはぎを囲めない:リスクは低い

・ふくらはぎをちょうど囲める:リスクは中等度

・隙間ができる:リスクが高い 

準備物なく簡単にチェックできるため、ぜひ試してみてください。

フレイルへの対処法

ここからは、チェックの結果、フレイルが疑われたときの対処法を3つご紹介します。

・かかりつけ医に相談する

・自治体の健康教室を活用する

・フレイルの予防法を取り入れ悪化しないようにする

それぞれの対処法を詳しくお伝えします。

かかりつけ医に相談する

患者様の既往歴や健康状態を把握して、食事や運動などについて、アドバイスをしてくれるでしょう。

自治体の健康教室を活用する

お住まいの地域によっては「フレイル予防教室」のようなものが開催されているところもあります。

ご自身で行うフレイルチェックよりもさらに詳しくチェックできたり、理学療法士や管理栄養士などによる運動・栄養の専門的なアドバイスを受けられたりするかもしれません。 

無料で開催されているところもあります。市区町村の役場やホームページから調べられるため、ぜひ活用してみてください。

フレイルの予防法を取り入れ悪化しないようにする

フレイルは、正しく行動することにより健康な状態に戻れる可能性があります。

そのため、日常生活に予防法をうまく取り入れて、現状よりも悪化しないようにすることが大切です。予防法として、次のような取り組みが挙げられます。

・持病をコントロールする

・栄養バランスの良い食事を摂る

・運動する

・口の健康を守るためにケアする

・社会活動への参加する

これらのことを日常生活のなかで心がけてみましょう。

フレイルの予防法については下記の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。 

フレイルチェックして自分の状況を把握しよう

フレイルは、早めに気づき正しく対応することで、回復したり悪化を防ぐことが可能な状態です。

ご自身でフレイルチェックを行い、現在の健康状態を見つめなおしてみましょう。

健康に関して気になることがあるときや、心配な症状があるときにはかかりつけ医や専門医に早めに相談してください。

(参考文献)

1, 公益財団法人長寿科学振興財団.フレイルとは.(最終閲覧日:2024129日)

2, 厚生労働省. 後期高齢者の質問票の解説と留意事項.(最終閲覧日2024129日) 

3, 厚生労働.健康長寿に向けて必要な取り組みとは?100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ.(最終閲覧日:20241220日)

4, "Yubi-wakka" (finger-ring) test: A practical self-screening method for sarcopenia, and a predictor of disability and mortality among Japanese community-dwelling older adults. Geriatr Gerontol Int, 2018;18(2):224-32.

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