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介護保険を利用するには?申請から認定までの流れと、要介護度別で利用できるサービスを解説
更新日:2025-04-15

介護保険を利用するには?申請から認定までの流れと、要介護度別で利用できるサービスを解説

介護保険を利用するには?申請から認定までの流れと、要介護度別で利用できるサービスを解説

介護保険のサービスを利用するためには、まず要介護認定を受けることが必要です。さらに、認定された要介護度の区分によって利用できるサービスが異なる場合もあります。

介護保険の仕組みを知っておくことは、介護が必要になった時にご家族の負担を減らすことや、ご本人のQOLを上げることにもつながります。

この記事では、申請から認定までの流れと、要介護区分別に利用できる介護保険のサービスの大枠について解説しています。

なお、まずは介護保険制度の概要を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

申請から認定までの流れ(サービスを受けるには)

(文献1をもとに作成)

介護保険で受けられるサービス

介護保険制度の申請から認定までは6つのステップの流れがあります。

①申請

本人や家族が市区町村の担当窓口で申請を行います。地域包括支援センターや担当ケアマネジャーが代行申請もできます。

②-1 訪問調査
(心身の状況に関する調査)

市区町村の認定調査員が自宅を訪問し、心身の状況を調査します。

②-2 主治医意見書

かかりつけ医「主治医意見書」作成します。

④一次判定

訪問調査の結果と主治医意見書の内容に基づき、コンピュータで一次判定が行われます。

⑤二次判定

介護認定審査会が一次判定の結果と主治医意見書を審査し、最終的な要介護度を決定します。

⑥認定結果の通知

認定結果通知書と認定結果が記載された被保険者証が送付されます。

(文献1をもとに作成)

訪問調査では、日常生活における動作や認知機能などが評価されます。

訪問調査で現状を適切に伝えられないと、実際の状態よりも要介護度が低く判定されるかもしれません。

適切な判定を受けて必要な介護サービスを利用するためにも、事前に訪問調査の項目をチェックする、日常生活の「できること/できないこと」をメモしておくなど準備して臨みましょう。場合によっては、担当のケアマネジャーに同席してもらうことも考えましょう。

なお、申請から認定結果の通知までにかかる期間は、原則的に30日以内とされています。

申請できる人

介護や支援が必要となった65歳以上の高齢者(第1号被保険者)、末期がんや初老期の認知症など厚生労働省が指定する16の特定疾病が原因で介護や支援が必要となった40~64歳の人(第2号被保険者)。

申請にあたり準備するもの

申請の際に準備するものは以下のとおりです。

    • 介護保険要介護認定・要支援認定申請書
      介護保険被保険者証(64歳以下の人は医療保険の被保険者証)
      主治医の氏名・医療機関名・所在地・電話番号
      個人番号(マイナンバー)を確認できるものまたは写し
      身元確認ができるもの(運転免許証やパスポートなど)

地域包括支援センターなどが家族に代わって介護認定の申し込みを代行してくれることもあります。代理人が申請を行う場合は、委任状など代理権が確認できる文書や代理人の身分証も必要になります。

認定結果の通知からサービス利用までの流れ

認定結果の通知を受けた後、介護サービスを利用するにあたり、ケアマネジャー(介護支援専門員)とともに必要なサービスを組み合わせたケアプランを作成します。

多くの場合、支給限度基準額の範囲内でプランを検討します。

《要支援1、2と認定された場合》
地域包括支援センターに作成を依頼します。自分でも作成できます。

《要介護1~5と認定された場合》
居宅介護支援事業所のケアマネジャーに作成を依頼します。自分でも作成できます。

このように作成したケアプランに基づいて、サービス提供事業者や施設と契約を結んだ後、サービス利用開始となります。

介護保険で受けられるサービス

要介護区分別にみた介護保険で利用できるサービス

(文献4をもとに作成)

要介護認定には「非該当(自立)」「要支援1・2」「要介護1〜5」の8区分があり、区分によって利用できるサービスが異なります。

要介護1~5の方を対象にするサービスは、大きく分けて、自宅で生活しながらサービスを受ける「居宅サービス」、住み慣れた地域で最期まで生活できるよう、柔軟なサービスを提供する「地域密着型サービス」、介護保険法で定められた施設でサービスを受ける「施設サービス」の3種類があります。

要支援1・2と認定された方が利用できるサービスには、要介護状態の軽減や悪化の防止を目的とした「介護予防サービス」があります。

介護予防サービスには、訪問介護や通所介護、短期入所生活介護などが該当し、サービスは居宅サービスとほとんど変わりありません。

また、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせる「混合介護」という選択肢もあります。混合介護のメリットは介護保険の枠組みを超えて、より柔軟に多様なサービスを受けられるようになることです。 ただし、介護保険の対象外となるサービスは「介護保険外サービス」と呼ばれ、全額自己負担で利用することになります。 

介護保険で利用できるサービスについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

申請の手続きとサービスの内容を知って、いざという時に備えましょう

介護保険を利用してサービスを受けるためには、要介護認定の申請が必要です。また、要介護度によって利用できるサービスは異なります。事前に知っておくことで、いざ介護と向き合わなくてはならない時に、必要なサポートにつながりやすくなるでしょう。ソーシャルワーカーや地域包括支援センター、市役所の担当窓口などでも相談ができますので、気になることがある場合には早めに相談しましょう。

(参考文献)

1, 厚生労働省老健局:介護保険制度における要介護認定制度について. 介護保険制度の概要. 2021. p9.
[https://www.mhlw.go.jp/content/000801559.pdf](最終閲覧日:2025年4月10日)

2, 厚生労働省:介護サービスの種類.
[https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0521-3c_0014.pdf](最終閲覧日:2025年1月26日)

3, 厚生労働省:介護事業所・生活関連情報検索. 公表されている介護サービスについて.
[https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/](最終閲覧日:2025年1月26日)

4 厚生労働省:要介護認定の仕組みと手順.
[https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000126240.pdf](最終閲覧日:2025年1月26日)

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