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介護保険の「特定疾病」とは?
更新日:2025-03-04

介護保険の「特定疾病」とは?

介護保険の「特定疾病」とは?

介護保険について調べると、「特定疾病」という言葉を目にすることがありませんか。

介護保険における特定疾病とは、厚生労働省によって指定された16種類の疾病のことです。これらの疾病が原因で要支援または要介護認定を受けた場合、65歳未満の方でも介護保険の適用対象となります。

なお、特定疾病には40歳以上65歳未満の若年性認知症も含まれています。

この記事では、特定疾病の意味や特定疾病と認定された方が介護サービスを利用する際の手順、相談先を解説します。

記事の後半では、若年性認知症の方が利用できる主な介護サービスについても紹介しています。

介護保険における特定疾病とは?

厚生労働省は、特定疾病について次のように定義しています1

特定疾病とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって次のいずれの要件をも満たすものについて総合的に勘案し、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病である。

  • 65歳以上の高齢者に多く発生するが、40歳以上65歳未満の年齢層にも見られ、罹患率や有病率などで加齢との関係が認められる疾病。その医学的概念が明確に定義できるもの。
  • 3〜6ヵ月以上にわたり、要介護状態または要支援状態が続く割合が高いと考えられる疾病。

16種類の特定疾病

特定疾病は以下の16種類です。これらの疾病は厚生労働省によって指定されています1

    1. がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)
    2. 関節リウマチ
    3. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
    4. 後縦靱帯骨化症
    5. 骨折を伴う骨粗鬆症
    6. 初老期における認知症
    7. 【パーキンソン病関連疾患】
      a. 進行性核上性麻痺
      b. 大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
    8. 脊髄小脳変性症
    9. 脊柱管狭窄症
    10.   早老症
    11.   多系統萎縮症
    12.   糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
    13.   脳血管疾患
    14.   閉塞性動脈硬化症
    15.   慢性閉塞性肺疾患(COPD)
    16.   両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

特定疾病はどのように診断されるか

特定疾病に該当するかどうかは、主治医が書いた意見書に基づいて市区町村の介護認定審査会が確認します2

介護保険の被保険者と特定疾病の関係

介護保険の対象となる被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者に分けられ、それぞれ介護保険を使える条件が異なります3

第1号被保険者

第2号被保険者

対象者

65歳以上の人 40歳以上65歳未満の医療保険加入者

保険料の支払い

市区町村が決めた保険料を納める
保険料は所得に応じて異なる
医療保険の保険料に介護保険料が上乗せされている

介護サービスの対象

認定を受けることで、介護保険サービスを利用することができる 特定疾病によって認定を受けた場合に限り、介護保険サービスを利用することができる

※65歳以上の人または40歳以上65歳未満の医療保険加入者であっても現に身体障害者療護施設などの適用除外施設に入所・入院している人は、当面の間、介護保険の被保険者とならない扱いとなる。
※文献3をもとに作成。

第1号被保険者は、65歳以上の高齢者一般を対象とし、介護が必要な場合に広くサービスを受けられるのに対し、第2号被保険者は特定疾病が原因で認定を受けた場合に限られる点で異なります。

特定疾病で介護サービスを利用するまでの流れ

介護サービスを利用するためには、まず要介護認定の申請が必要です。特定疾病に指定されている病気だと診断された場合も例外ではなく、認定を受けなければ介護サービスは利用できません。

なお、要介護認定において「非該当」と認定された方でも、市区町村が行っている地域支援事業などにより、生活支援サービスを利用できる場合があります4

どのような支援が受けられるかは、お住まいの市区町村や地域包括支援センターに相談してみましょう。

<申請からサービス利用までの流れ4

①要介護認定の申請
②認定調査・主治医意見書
③審査判定(一次判定、二次判定)
④認定
⑤介護(介護予防)サービス計画書の作成
⑥介護サービス利用の開始

介護サービスを利用するまでの流れは、こちらで説明しています

若年性認知症の方が受けられる介護保険のサービス

65歳未満で認知症を発症した場合、若年性認知症とされます。40歳以上65歳未満で発症した若年性認知症は、特定疾病に含まれるため、要介護認定を受けた方は介護保険を受けることができます(※)。

若年性認知症の方が最も多く利用しているのが、「通所介護サービス(デイサービス)」と「通所リハビリテーション(デイケア)」です5。一般的なデイサービス、デイケアは高齢者を対象としていますが、なかには若年性認知症専門のデイサービス、デイケアもあります。

※ただし、外傷性疾患が原因の認知症やアルコール性認知症のような、原因疾患が老化によらない認知症の場合は除きます5

また、デイサービスやデイケアの他にも介護保険サービスには様々な種類があります。

<介護保険サービス>

通所サービス

・デイサービス
・デイケア

短期間の宿泊施設サービス

・短期入所生活介護(ショートステイ)
・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

施設サービス

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
・介護老人保健施設
・介護医療院

訪問サービス

・訪問介護(ホームヘルプ)
・訪問入浴介護
・訪問看護
・訪問リハビリテーション

訪問・通い・宿泊を組み合わせたサービス

・小規模多機能型居宅介護

その他のサービス

・福祉用具の貸与、販売
・住宅改修費の支給

※文献5をもとに作成

これらのサービスを利用するには、要介護認定を受ける必要があります。また、サービスによっては要支援の区分では利用できない場合もあります。検討したい方は、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターなどで相談してみましょう。

詳しくはこちらで説明しています。

介護保険のサービス以外の主な支援

介護保険を利用した介護サービス以外にも、若年性認知症の方の生活を支援する制度が用意されています。

若年性認知症の方をサポートする公的支援について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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介護保険における特定疾病を知っていざという時に備えよう

介護保険における特定疾病は、加齢との関係が認められた疾病であり、要介護状態が続く可能性の高い16種類の疾病を指します。

特定疾病の場合、条件を満たせば40歳以上65歳未満の方でも介護サービスが受けられるようになります。

この特定疾病には若年性認知症なども含まれます。申請から認定、ケアプランの作成までの流れを理解し、いざという時に適切なサービスを受けられるよう備えましょう。

参考文献
1, 厚生労働省: 特定疾病の選定基準の考え方.
[https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html](最終閲覧日: 2025年3月4日)
2, 厚生労働省: 介護認定審査会委員テキスト2009改訂版(令和3年4月改訂 ). p16.
[https://www.mhlw.go.jp/content/000819417.pdf](最終閲覧日: 2025年3月4日)
3, 厚生労働省: 介護保険制度について(40 歳になられた方へ).
[https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/2gou_leaflet.pdf]
(最終閲覧日: 2025年3月4日)
4, 厚生労働省:サービス利用までの流れ | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索. 
[https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/flow.html](最終閲覧日: 2025年3月4日)
5, 厚生労働省: 若年性認知症支援ガイドブック:第5章 制度等・利用できるサービス.
[https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/guidebook_1.pdf]
(最終閲覧日: 2025年3月4日)

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