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地域包括支援センターとは?4つの役割と支援内容、利用方法を解説
更新日:2024-11-29

地域包括支援センターとは?4つの役割と支援内容、利用方法を解説

地域包括支援センターとは?4つの役割と支援内容、利用方法を解説

地域包括支援センターとは、高齢者の方の生活に関する支援を提供する拠点です。上手に活用することで、生活への不安や介護の不安を軽減することができるでしょう。

本記事では、地域包括支援センターの主要な役割や支援内容、利用方法について解説していますので、ぜひ参考にしてください。

地域包括支援センターとは?

地域包括支援センターは、高齢者の方が安心して生活を送れるよう支援を提供する施設です。高齢者の方の健康面や介護、お金に関することなど様々な相談を受け付けています。

高齢化進行に伴う介護・医療の需要拡大を背景に設立

地域包括支援センターが設立された背景には、急速に進む高齢化の問題があります。特に、団塊の世代が75歳以上となる2025年が近づくにつれ、介護や医療の需要がさらに急増することが予想されています1

こうした状況に対処するため、厚生労働省は地域包括ケアシステムの構築を推進し、その中核的な役割を担う機関として地域包括支援センターを設置しました。 

地域包括支援センターの特徴

地域包括支援センターには、次のような特徴があります。

運営の主体は市区町村

運営は各市区町村が主体となり、社会福祉法人や医療法人などと連携しながら行われています。各センターには担当区域が設けられていて、その地域に住む65歳以上の方、またはご家族など支援に携わる方が利用できます。

専門職の連携による支援を提供

保健師、社会福祉士、主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)などの専門職が連携を取りながら、高齢者の方のニーズに応じた支援を提供しています。

保健師は健康管理や医療に関する相談を担当し、社会福祉士は福祉サービスの提供や生活支援を行います。また、主任ケアマネージャーは介護サービスの計画を立案し、必要な支援を調整する役割を果たしています。

多岐にわたる支援・サービスを提供

介護予防を目的とする運動指導や栄養指導、生活支援サービス、地域住民との交流イベント実施から成年後見制度の活用促進まで、多岐にわたる支援を行っています。詳しい支援内容は、次の「地域包括支援センターの4つの役割」で説明します。

地域包括支援センターの4つの役割

地域包括支援センターには、「総合相談支援」「介護予防ケアマネジメント」「権利擁護」「包括的・継続的なケアマネジメント支援」の大きく4つの役割があります2,3

総合相談支援

まず、高齢者の方やそのご家族が直面する問題に対して、専門の職員が相談に応じ、適切なアドバイスや支援を提供する「総合相談支援」としての役割があります。

健康問題、介護サービスの利用方法、経済的な問題、日常生活の困りごとなど、多岐にわたる相談内容を一つの窓口で対応し、相談からサービスの提供・調整までを担います。

「総合相談支援」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

介護予防ケアマネジメント

2つ目の役割として「介護予防ケアマネジメント」があります。介護予防ケアプランを作成したり、健康維持や介護予防を目的とした様々なプログラムを提供しています。

運動指導、栄養指導、健康チェック、地域住民の方々との交流イベントなど、様々な取り組みを実施しています。交流イベントや趣味クラブへの参加を促すことで、高齢者の方の社会的なつながりを強化し、孤立を防ぐための取り組みも、介護予防ケアマネジメントとしての役割の一つです。

「介護予防ケアマネジメント」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

権利擁護

高齢者の方の人権が尊重され、適切な生活環境を維持できるように、法律や福祉の専門知識を活用した「権利擁護」の支援を行うことも重要な役割です。虐待の防止や財産管理に関する支援が当てはまります。

虐待の防止に関しては、地域住民や介護者に対する啓発活動や相談窓口を設置するといった対策も行います。また、財産管理の支援としては、高齢者の方の財産が適切に管理されるよう助言を行い、成年後見制度の活用を支援しています。 

「権利擁護」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

包括的・継続的なケアマネジメント支援

包括的・継続的なケアマネジメント支援」としては、ケアマネージャー(介護支援専門員)が高齢者の方への包括的・継続的なケアマネジメントを実施できるよう、地域の連携体制づくりや、ケアマネージャーに対する支援を行う役割を担います。

ケアマネージャーは、医療、介護、福祉の各分野の連携に欠かせないコーディネーターとしての役割も担っており、専門家が連携して高齢者の方の生活を支援する体制を整えています。

「包括的・継続的なケアマネジメント支援」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

地域包括支援センターの利用方法

地域包括支援センターを利用する際の流れを簡単に説明します。

お住まいの地域の地域包括支援センターへ来所する

各センターには担当地域があり、その地域にお住まいの65歳以上の高齢者の方、ご家族などその方の支援に携わっている方の相談に対応しています。来所前に電話で連絡が必要な場合がありますので注意しましょう。

センター内の相談窓口で相談する

地域包括支援センターでは、一つの窓口で様々な相談や手続きを済ませることができます。複数の施設を訪れる手間が省け、利用者の方の負担が軽減されるよう配慮されています。

地域包括支援センターの役割:まとめ

地域包括支援センターは、高齢者の方が安心して自立した生活を送り続けられるよう、様々な側面から支援を提供する拠点です。その役割は大きく分けて、「総合相談支援」「介護予防の推進」「権利擁護」「包括的・継続的なケアマネジメント支援」の4つに分けられます。

センターでは、健康面や介護、金銭面など多岐にわたる相談・支援に対応してくれます。早いタイミングで相談することで、問題の早期解決にもつながるでしょう。心配ごとがある場合には、ご本人に限らずご家族・周りの方も、まずは地域包括支援センターに相談してみてください。

(参考文献)

1, 厚生労働省. 地域包括ケアシステム. (最終閲覧日:2024年10月28日)

2, 厚生労働省. 地域包括支援センター概要.(最終閲覧日:2024年10月28日)

3, 一般財団法人 長寿社会開発センター. 地域包括支援センター業務マニュアル(平成 23 年 6 月).(最終閲覧日:2024年10月28日)

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