theotol-logo
「夫が若年性アルツハイマー病に」認知症介護家族の悩み
更新日:2021/12/08

「夫が若年性アルツハイマー病に」認知症介護家族の悩み

「夫が若年性アルツハイマー病に」認知症介護家族の悩み

夫は40代後半、高校生の長男と中学生の長女との4人家族です。夫はぼんやりしていることが最近目立ち、少し変だとは感じておりました。会社から、ミスが多くなり取引先とのトラブルも増えたので病院へ行くように言われ、若年性アルツハイマー病と診断されました。現在休職中ですが、これからどのように生計を立てていけばよいのか、とても不安です。

専業主婦:40代

介護家族:あなたの不安がよくわかります。経済支援制度を教えてもらい楽に

介護家族 女性

私もショックで途方にくれました。夫は退職しましたので、私がパート勤務を始めました。受診した病院のソーシャルワーカーが、経済的な支援制度などのアドバイスを丁寧にしてくれました。子どもの授業料減額や奨学金の手続きを行い、精神障害者保健福祉手帳や自立支援医療の手続きをし、医療や税の負担軽減ができました。在職中で傷病手当金や障害年金の申請中です。まだ、その他にも住宅ローンや生命保険などでの支援制度もあると聞いて少し安心しています。

病院ソーシャルワーカー:現在の職場で働き続けられないか、相談しましょう

医師 男性

ご主人は休職中との事ですが、病気を考慮した部署で働けないか、思いきって会社に相談してみましょう。勤務していた会社や同僚の理解を得て働き続けている仲間も多くなっていますよ。 また、東京都、京都府、兵庫県、認知症介護・研究研修大府センターなどでは、若年性認知症支援ガイドブックを作成し、ホームページで公開していますので参考にされてはいかがでしょう。

本人Aさん:告知を受け、早期退職しました

本人 男性

私は2年前、若年性認知症と診断され、会社に迷惑をかけられないと自分から退職しましたが、今は少し後悔しています。同年代が活躍しているのに、自分だけがと思うと情けなくて、くやしくて家族に八つ当たりした時期もありました。そんな時、「家族の会」に入会し、同じ立場の仲間もでき、気持ちが楽になりました。

看護師:若年性認知症専門の相談機関も利用

看護師 女性

制度利用の手続きなどわかりにくいことも多いです。市町村などで認知症地域支援推進員が配置されていればいいですが、窓口で対応が十分でないこともあります。若年性認知症で相談したい時は次のような相談窓口があり、悩みや心配ごとについて、相談員が対応してくれます。公益社団法人 認知症の人と家族の会(☎0120-294-456/月~金10時~15時)、若年性認知症コールセンター(☎0800-100-2707/月~土10時~15時)、若年性認知症サポートセンター(☎03-5919-4186)などがあります。

本人Bさん:仲間に出会え、力を得ました

本人 男性

近くで開催されている「家族の会」の本人のつどいに初めて参加した時の感動は忘れません。「自分だけがなぜ」と思っていましたが、一人ではないとわかり安堵しました。また昨年には、本人が中心になった「日本認知症ワーキンググループ」が設立され、要望を発表され、私たちの思いが代弁されました。
私も最近、近所にできた認知症カフェに行き始め、喫茶の手伝いをするようになり楽しみにしています。あきらめず、孤立せず、上手に制度が利用できればいいなと思っています。

「ぽ~れぽ~れ」通巻416号(2015年3月25日発行)

この記事を見た人におすすめの記事