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もの忘れがひどいのは年齢のせい?認知症が原因?違いと対策方法を解説
更新日:2024/11/18

もの忘れがひどいのは年齢のせい?認知症が原因?違いと対策方法を解説

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もの忘れがひどいのは年齢のせい?認知症が原因?違いと対策方法を解説

「最近、もの忘れがひどい」と感じたことはありませんか? 年齢を重ねると、誰しもが少しずつもの忘れを経験するものですが、それが認知症の初期症状かどうか、心配になることもあるでしょう。     

この記事では、「もの忘れがひどい」と感じたときに考えられる原因や、認知症との関連性について解説します。さらに認知機能を維持するための対策にも触れていますので、もの忘れに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

もの忘れと認知症の違い

もの忘れにはさまざまな原因がありますが、大きく分けて「加齢によるもの」と「病気によるもの」に分類できます1

1. 加齢によるもの忘れ

加齢に伴うもの忘れは、多くの人が経験する自然な現象であり、以下のような特徴があります。

  • • 特定の出来事や会話の一部を忘れる
  • • 日常生活に大きな支障をきたすことは少ない
  • ・進行しない、進行したとしても緩やか

例えば、鍵をどこに置いたか忘れてしまったり、買い物リストに載せた品物を思い出せなかったりすることはよくあります。しかし、これらのもの忘れは後で思い出せることが多く、日常生活に大きな影響を与えることはありません。

また、テレビのタレントの名前が出てこない、5年ぶりに会った知り合いの名前が出てこないという場合もあるでしょう。これらは正解を言われると思い出すことが出来ます。

2. 認知症初期症状によるもの忘れ

一方で、認知症の初期症状によるもの忘れには、以下のような特徴があります。

  • • 忘れたこと自体を思い出せない(もの忘れしたという自覚がない)
  • • 日常生活に大きな支障をきたす
  • • もの忘れの頻度が増えていく

認知症の初期症状としてのもの忘れは、単なる加齢によるもの忘れとは異なり、日常生活に深刻な影響を与えることがあります。例えば、予定を忘れてしまい、重要な約束をすっぽかしてしまうことや、よく知っている場所で道に迷ってしまうことがあります。

もの忘れ以外の認知症の初期症状

認知症は記憶の問題だけでなく、以下のような症状も現れることがあります。もの忘れに加えて、このような症状が出ている場合には、早めの受診も検討しましょう。

時間や場所の感覚を失う:現在の日時や自分がいる場所を認識できなくなることがあります。

判断力や計画力の低下:日常的な意思決定や問題解決が難しくなることがあります。

性格や行動の変化:以前とは異なる性格や行動パターンが現れることがあります。

言葉を理解したり使ったりする能力の低下:会話や文章の理解が難しくなり、言葉を適切に使うことができなくなることがあります。

これらの症状は、日常生活や社会生活において深刻な問題を引き起こす可能性があります。認知症の進行を遅らせるためには、早期の発見と適切な対応が重要です。

 

もの忘れがひどいと感じる場合の対策

もし「もの忘れがひどい」と感じる場合には、放置せずに早めに必要な対策を打つことで認知機能が改善する可能性も高まります。主な対策方法は次の通りです2

1. 医師に相談する

もの忘れの原因を特定するためには、専門医の診断が必要です。認知症以外にも、うつ病やストレス、睡眠不足が原因でもの忘れがひどくなることがあります。

早期に専門医に相談することで、適切な診断と治療が受けられる可能性が高まります。

 2. 生活習慣の改善

健康的な生活習慣は、認知機能の維持に重要です。以下の点に注意しましょう。

規則正しい生活を心がける:毎日同じ時間に起床し、十分な睡眠をとることが大切です。

バランスの取れた食事を摂る:栄養バランスの良い食事を心がけ、特に野菜や果物、魚を多く摂るようにしましょう。

適度な運動をする:ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で定期的に運動することが推奨されます。

3. 脳を活性化させる活動を取り入れる

脳を活性化させるためには、以下のような活動が効果的です。

読書やパズル、ゲームなどで脳を刺激する:クロスワードパズルや数独など、脳を使う活動を取り入れると良いでしょう。

新しい趣味や活動に挑戦する:新しいことに挑戦することで、脳の働きを活発に保つことができます。

社交的な活動を増やす:友人や家族と積極的に交流し、社会的なつながりを維持することが重要です。

もの忘れがひどいと感じたら早めに対策しましょう

「もの忘れがひどい」と感じたとき、その原因は多岐にわたります。年齢による自然な現象である場合もあれば、認知症の初期症状である可能性もあります。

重要なのは、早めに対策を講じ、必要であれば医師の診断を受けることです。生活習慣の改善や脳を活性化させる活動を通じて、認知機能の維持を心がけましょう。

(参考文献)

1,一般社団法人 日本神経学. 認知症疾患ガイドライン2017. p.8-9.(最終閲覧日:2024年10月9日)

2,国立研究開発法人国立長寿医療研究センター. あたまとからだを元気にする MCIハンドブック.(最終閲覧日:2024年10月9日)