自分の想いをまとめる
将来の生活や財産・相続について考える
〜しっかり考えられるうちに自分の希望をまとめる〜
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「初天神」その後 望む生活を続けるためのソナエ
自分らしく生活し続ける希望と意思の伝え方・残し方について(約4分)
自分について「記す」
基本情報
生年月日や趣味、自分史、現在かかっている病気や病院名、保険証や年金手帳の番号や保管場所など、自分のことを知ってもらうために必要な情報をまとめておきましょう。
親戚や関係者の情報
親族や友人などとの関係と連絡先をリストにしてまとめておきましょう。家族の把握していないあなたの大切な人がいるかもしれません。
パソコンやネット上の情報の整理
インターネットの利用が進む中、近親者にも見えづらいSNSやブログなどの私的なコミュニティが広がってきています。パソコン上の見られたくない情報の削除に加え、必要に応じメールやブログ、オンライン口座などのアカウントを整理しておき、いざというときに家族がわかるようにしておくことも大切です。
- いざというときに頼りになるのは、遠くの家族より、実は近所の友でもあります。
- 「困ったときはお互いさま」の地域のコミュニティでの暮らしを楽しみましょう。
資産について「見積もる・残す」
財産目録の作成
預貯金の口座、有価証券や土地などの資産を目録にしておきましょう。相続を考える上でも、将来の生活を考える上でも重要な情報になります。
印鑑・通帳の整理
必要最低限の口座数に整理し、家族と話し合っておくなど、財産管理がしやすい環境をつくっておくことも大切です。
生前贈与・相続
相続の方針を決め、税制を踏まえて計画的に財産を移行させましょう。なお、遺言に法的効力が認められるためには、法律で定められた一定の条件を満たした書面にまとめておく必要があります。
お葬式とお墓
宗教・宗派やお葬式の場所や規模など、お葬式とお墓などの希望をまとめておきましょう。
- 認知症による記憶障害では、「○○万円を引き出したが、そのこと自体を忘れて紛失してしまう」ことも起こっています。
- 現金引き出し限度額を日常生活に必要な10万円程度に設定する、利用明細が郵送され家族がチェックしやすいクレジットカードで買い物する―など、認知症になる前に自分でできる失敗の軽減策もあります。
望む生活を「示す」
家族や周囲の人たちにできるだけ迷惑をかけたくない。でも、最期まで自分らしい生活を送りたい。誰もがそう願っていることと思います。
もしもの時のソナエとしては、自分についての情報や資産を整理し、希望とともに記録しておくことが大切です。
特に認知症では、病気の進行にともない、自分の意思を伝えることが難しくなったり、適切な判断ができなくなってしまうことがあります。
認知症になる前にしっかり考え、まとめておきたいことをご紹介します。
自分の趣味や生活について
趣味や好きなことを記録しておくことで、自分での意思表示が難しくなっても、その内容を踏まえた生活支援につなげてもらう方法があります。
介護や治療の方針について
どこで最期を迎えたいか、またターミナル期の医療の希望を示しておきましょう。特に生死にかかわる医療は、判断を任された人の重荷にもなりかねません。
生活費
自分の望む生活の在り方を示すとともに、その生活費用の捻出方法まで整理しておくとスマートです。認知症になった場合の金銭管理等を信頼できる第三者に依頼する方法もあります。
- お金の管理が難しくなったときの一時的な対応に役立つのが銀行の「家族カード」(代理人カード)です。
- キャッシュカード機能付きで、口座から小口の生活費の引き出しができます。
- ただし、悪用も可能なため、信頼できる家族がいる場合に限定されます。
- 認知症になると電話やメモの内容を忘れてしまうことがあります。
- また、文字を書く細かい動きが難しくなります。
- そのため、ボタンやクリック操作で容易なパソコンやスマホのメモ機能やスケジュール帳機能を活用し、約束を思い出せるように工夫している人もいます。
- 操作に慣れておくことも一つのソナエになるかもしれません。
メッセージを「伝える」
大切な人へのメッセージをきちんと伝えておくことが重要です。
老いや死を前提とした話題はなかなかふれづらいものですが、財産や自分の望む暮らしについては機会を設け、家族と将来について話し合っておきましょう。
- 遺言や手紙によるメッセージに加えて近年、活用する人が増えているのがビデオレターです。
- ありし日の姿とともに受け取るメッセージは、家族にとって何にも増して嬉しいものかもしれません。
「エンディングノートの活用を」
「エンディングノート」は、自分にもしものことがあったときに備え、伝えておきたいことをまとめておくノートのことです。いざというときに残しておきたい情報を整理し、記録できるように工夫したさまざまな形式の「ノート」が作成されています。まずは手に取って眺めてみるのもよいかもしれません。