歯科訪問診療は、さまざまな事情で歯科医院への通院が困難な方が対象となり、認知症のご本人においても訪問診療は選択肢の1つとなります。
歯の治療をすべき状況で歯科医院への通院が難しい場合、歯科訪問診療の利用を検討すると良いでしょう。
認知症のご本人における歯科訪問診療
訪問診療も外来診療と同様、計画的かつ継続的に行われるものです1。
認知症のご本人のなかには、口を開けることを拒否したり2、治療に対して強い抵抗を示したりする方もいますが、ご本人が治療を嫌がる場合には無理強いせずに、徐々に慣れていただくような対策を取ります。
ご本人の状態を十分に理解し、ご家族や介護スタッフと連携しながら診療を進めます。治療前に安定剤を服用することで、ご本人の精神状態を落ち着かせる方法が取られることもあります2。
歯科訪問診療を依頼する際の手順
歯科訪問診療を希望する場合、まず訪問診療を行っている歯科医院を探し、認知症のご本人の状態やかかりつけ医の情報を伝えましょう2。
初回診療時には、介護施設の担当者やご家族が立ち会い、治療内容や費用についても説明を受けると良いでしょう。
保険診療で訪問診療を行えるエリアは、医院を中心とした半径16kmと定められており、訪問先は社会福祉施設やご自宅といった、ご本人が療養している生活の場となります1。
まとめ|認知症のご本人にも歯科の訪問診療をお願いできますか?
通院が困難な認知症のご本人に対して、歯科訪問診療は歯の治療の1つの選択肢となります。
特に、口腔衛生の悪化は誤嚥性肺炎や栄養状態の低下につながるため、定期的なケアが必要です。歯科訪問診療でなじみのある場所でリラックスして受診できることは、ご本人にとってメリットになるでしょう。