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ハリー杉山|父の認知症介護で限界を経験|地獄の日々を脱した方法とは?

ハリー杉山|父の認知症介護で限界を経験|地獄の日々を脱した方法とは?

認知症の在宅介護の限界|誰にも相談できない葛藤

幼少期のハリー杉山さんと、一緒に過ごすお父様の様子

多忙にも関わらず、ハリーさんのことをいつも最優先してくれたお父様と一緒に

  • テヲトル

    ご自宅でお父様の介護をしていたときは、どんな様子でしたか?

  • ハリー杉山さん

    僕も母も全力で介護と向き合っていました。
    仕事以外の時間はすべて父のために費やしていましたね。

  • テヲトル

    お父様のことを本当に大切に思っていたのが伝わります。

  • ハリー杉山さん

    だからこそ在宅介護で限界になるまで追い詰められてしまいました。

    24時間、父に付きっ切りだったから、自分の時間はいっさいありませんでした。自分たちだけで介護を頑張ろうとしすぎて、どんどん追い詰められていくんです。

    仕事もいいパフォーマンスが上げられず、精神的にも体力的にも苦しかったですね。

    イライラが抑えられず、穴が開くほど壁を殴ったこともあります。
    一歩間違えていたら、父を殴って父の命を奪ってもおかしくなかったかもしれません。

  • テヲトル

    その段階で、介護施設などへの入居は検討されなかったのでしょうか?

  • ハリー杉山さん

    母も僕も介護施設に入居させることには、ためらいがありました。

    「介護は家族でするもの」だと思い込んでいたし、「介護施設に入れたら、父の人生は終わってしまう」という誤った古い認識があったんです。

  • テヲトル

    限界が訪れているのに、それでも頑張ろうとしてしまうのはつらかったと思います。

  • ハリー杉山さん

    あえて言葉を選ばずに言えば、地獄のような毎日でした。

    あるとき、母が誰かわからなくなった父は、母を殴ってしまったんです。父からしたら、家に知らない人がいると感じ、怖かったのでしょう。

    さすがにもう限界だと思いました。

認知症の父の施設入居を決意したケアマネジャーの一言

幼少期のハリー杉山さんと、ソファでくつろぐお父様の様子

青年になったハリーさんにとって、お父様は最高の相談相手であり、人生の目標でもあった

  • テヲトル

    「地獄のような毎日」。重い一言です。

    お父様が介護施設に入居するきっかけはありましたか?

  • ハリー杉山さん

    ケアマネジャーさんに「家族だけでお父様を支えるのは、もう限界です」と言われたんです。

    「もしハリーさんが倒れたら、誰がお父さんを支えるんですか?」「困ったときに人の手を借りるのは当たり前のことです」と指摘されて、ハッとしました。

  • テヲトル

    第三者のプロからの指摘、大事ですね。

  • ハリー杉山さん

    介護施設にお願いすれば、元の家族の姿を取り戻すことにつながるのではないかと、家庭内だけで認知症の父のことを抱え込もうとする考え方を改めることができたんです。

    運よく、自宅から近い特別養護老人ホームに空きがあり、2015年に入居することができました。

  • テヲトル

    お父様が入居してからは、どんな変化があったのでしょうか?

  • ハリー杉山さん

    物理的に父と離れて暮らすことで、休む時間を持てるようになりました。

    僕と母も余裕を取り戻し、父に丁寧に向き合えるように変化しましたね。

    壊れかけていた家庭が、お互いを思いやる元の形に戻っていきました。

  • テヲトル

    物理的な距離を作ったからこそ、気持ちに余裕ができたんですね。

  • ハリー杉山さん

    はい。父を中心にして、介護施設と僕と母で協力し合えるようになりました。

    日常生活のサポートは介護施設。
    母は、妻として細やかなコミュニケーションや食事の介助。
    僕はスポーツマッサージや音楽を一緒に聴くなど、それぞれ得意な分野を担当しました。

  • テヲトル

    お父様に変化はありましたか?

  • ハリー杉山さん

    さまざまな場面で、もの忘れはありましたが、本質的な部分では変わっていませんでした。

    あるとき「認知症になった人生も悪くない」とユーモアを交えて言ったことがあったのが印象的でした・・・。

  • テヲトル

    ご自身が認知症であることも、理解されていたんですね。

  • ハリー杉山さん

    そうなんです。父は自分自身が認知症と向き合っているのだとちゃんと理解していたんです。

    どんな状況にあっても父は僕が憧れた父のままでした。

    あの強い精神力、物事を俯瞰してとらえる姿勢は、本当に尊敬します。ずっと僕のヒーローです。

  • テヲトル

    認知症になったからといって、その人自身が別人になるわけではない、と。

  • ハリー杉山さん

    そう思います。

    だから僕は認知症と診断された方のことを、「認知症と向き合う方」と表現しています。

    「認知症になる」というと、当事者の方の人格も変わってしまうようなネガティブなイメージがあります。

    でも、父を見ていて、父自身に変化があるわけではないんだと思ったんです。

  • テヲトル

    認知症と向き合うようになっても、お父様はずっとハリー杉山のヒーローでい続けたのですね。

  • ハリー杉山さん

    介護施設に入居した後の父は体調も良く、もしかしたらこの先20年くらい元気でいてくれるかもしれないとも感じました。

    ところが、残念ながら2020年のコロナ禍によって、いろんなバランスが崩れてしまったんです。

  • テヲトル

    コロナ禍でどんなことがありましたか?

  • ハリー杉山さん

    父と面会するのが難しくなってしまいました。
    僕たちを支えてくれた介護施設のスタッフさんも、日常生活でも他の人以上に感染に気を付けるなど、とても大変だったと思います。お世話になった方たちが次々と退職されました。

    父はげっそりと痩せてしまい、2022年には肺炎を発症し、人工呼吸をつけるかどうか選択を迫られることになりました。

この記事の補足情報

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