【2026年版】認知機能チェックツール・チェックリストまとめ|無料・自宅でできるセルフチェックの選び方

最近、同じ話を何度も繰り返してしまう。
親の「もの忘れ」が増えた気がする。認知症かもしれない。
ーーそんな不安を感じたとき、手軽に認知機能の状態の目安を確かめられるのが「認知機能チェックリスト」や「記憶力テスト」などのチェックツールです。
自宅で簡単にできるさまざまな種類のチェックツールが存在します。病院に行くべきか悩んでいる方、どのチェックツールを信頼して使えばよいのか迷っている方のために、この記事ではエーザイ株式会社とそのグループ企業であるテオリア・テクノロジーズ株式会社が開発・提供するサービスを中心にご紹介します。
「自分の認知機能をセルフチェックしたい方」と「ご家族の様子が気になる方」の両方に向けて目的別に整理し、チェックツールの選び方から、チェックの結果が気になったときの「次の一歩」まで、わかりやすく解説していきます。
この記事の使い方
- ご自身の認知機能をセルフチェックしたい方
→「自分でできる認知機能チェックツール」へ
- ご家族の様子が気になる方
→「家族・介護者向けのチェックリスト」へ
※なお、この記事で紹介するチェックツール・チェックリストは、いずれも医療機器ではなく、医師による診断に代わるものではありません。あくまで「気づき」のための目安としてご活用ください。気になる結果が出た場合は、医療機関や地域包括支援センターへの相談を検討しましょう。
そもそも認知機能チェックツール・チェックリストとは?
認知機能チェックツール・チェックリストは、記憶力や注意力などの認知機能の状態の目安を、質問や簡単な課題を通じて確かめるためのものです。重要なのは、チェックツールやチェックリストは認知症の「診断」をするものではなく、「気づき」の入口だということです。早めに状態を把握し、必要なら専門機関につなげるための最初の一歩と考えるとよいでしょう。
世の中には「認知症チェックリスト」や「認知症チェックツール」などと表現しているものも存在しますが、あくまで気づきの目安にすぎないものも含まれているため注意が必要です。気になる結果が出て、ご自身で気になる場合は、医療機関や地域包括支援センターへの相談を検討しましょう。
超高齢社会を迎えた日本では、認知症は誰にとっても身近なテーマです。厚生労働省の推計では、2022年時点で認知症の人は約443万人、その前段階とされるMCI(軽度認知障害)の人は約559万人とされています。65歳以上の約4人に1人が、認知症またはMCIの可能性がある計算です。
しかし、過度に不安になる必要はありません。MCIは、適切な生活習慣の見直しや対応によって、状態が安定したり改善したりする可能性があるとされる段階です。だからこそ、「早めに気づく」ことに大きな意味があります。
知っておきたい前提知識|認知症・MCI・加齢によるもの忘れの違い
加齢によるもの忘れと認知症の違い
多くの人は年を重ねれば記憶力が低下し、もの忘れが増える傾向にありますが、加齢によるもの忘れと認知症には違いがあります。
加齢によるもの忘れ | 認知症 | |
|---|---|---|
原因 | 脳の生理的な老化 | 脳の神経細胞の変性や脱落 |
もの忘れ | 体験したことの一部分を忘れる(ヒントがあれば思い出す) | 体験したことをまるごと忘れる(ヒントがあっても思い出せない) |
症状の進行 | あまり進行しない | だんだん進行する |
判断力 | 低下しない | 低下する |
自覚 | 忘れっぽいことを自覚している | 忘れたことの自覚がない |
日常生活 | 支障はない | 支障をきたす |
MCI(軽度認知障害)とは?
「健常」と「認知症」の間にあたる状態が、MCI(軽度認知障害、Mild Cognitive Impairment)です。記憶力などに低下が見られても、日常生活はおおむね自立して送れるのがMCIの特徴です。
MCIは認知症そのものではないが、健常でもない状態で、認知症と健常な状態の「中間のような状態」と言われています。

MCIは認知症と健常な状態の「中間のような状態」(文献2より作成)
MCIから認知症へ進む人もいれば、生活習慣の見直しなどで状態が安定・改善する人もいます。MCIでは1年で約5〜15%の人が認知症に移行する一方で、約16〜41%の人が健常な状態に戻ることがわかっています。だからこそ、早期に気づいて適切に対応することが重要だと考えられています。

MCIの段階で適切な対策を行うことで健常の状態に戻る可能性(文献2より作成)
チェックツール・チェックリストで「わかること」と「わからないこと」
セルフチェックでわかるのは、現時点の「認知機能の状態」や「他者に相談するかどうか」の目安です。また、定期的に実施することで、「気にとめておきたい変化のサイン」をモニタリングすることが可能です。認知症の原因や重症度、治療方針などの詳細は、医療機関での検査・診断によってのみわかります。
チェックツールやチェックリストは早期の「気づき」や次の行動の「きっかけ」として活用しましょう。
認知機能チェックツールの種類と選び方
認知機能や記憶力に関するチェックにはさまざまな種類があります。「どれを選べばよいかわからない」という方は、次の3つの軸で考えると選びやすくなります。
- 目的で選ぶ:気軽に試したい/継続して記録したい/家族の様子を確認したい
- 所要時間で選ぶ:数分で終わる手軽なもの/じっくり取り組むもの
- 実施形式で選ぶ:本人が課題に取り組む「セルフチェック型」/家族が様子を見て答える「チェックリスト型」
次の章から、目的別に具体的なツールを紹介します。
自分でできる認知機能チェックツール
「まずは自分でチェックしてみたい」という方に向いているデジタルのセルフチェックツールを紹介します。
短時間で認知機能の変化に気づきたい方に「MoCA XpressO(モカ エクスプレッソ)」
(※画像をクリックすると、紹介ページに移動します。)

認知機能のセルフチェックツール「MoCA XpressO(エクスプレッソ)」
MoCA XpressO(エクスプレッソ)は、世界100カ国以上の医療現場で使われている認知機能評価「MoCA(モントリオール認知評価)」の理論に基づいて開発された、日本語公式版のデジタルセルフチェックです。
MoCAは、MCIの早期発見のために世界中の医療専門家が使用する医療スクリーニングツールです。そして、エクスプレッソは、一般の人々が自宅で自分のデバイスを使って簡単にチェックできるよう、家庭用に開発されたものです。
【「エクスプレッソ」のメリット】
- 気軽に試せます。
- 所要時間は約5分。
- PC・タブレットから受けられます(※スマートフォンは非推奨)。
- 画面に表示される課題に取り組む非言語中心のタスクで、言葉の壁の影響を受けにくいのが特徴です。難しい文章を読んだり、言葉で答えたりする必要は一切ありません。
- 2026年3月23日 (月) ~ 2026年夏まで、無料体験実施中です(予告なく終了する場合があります)。
医療現場で広く使われる「MMSE」や「長谷川式」などの一般的な認知機能検査に加え、MoCAは特にMCIの早期発見を目的に開発されたという特徴があります。
MoCA XpressOは医療機器ではなく、診断に代わるものではありません。結果は気づきの目安としてご活用ください。
脳の健康度を「継続して記録」したい方に「のうKNOW®」
(※画像をクリックすると、紹介ページに移動します。)

脳の健康度チェックツール「のうKNOW®」
「のうKNOW®」は、トランプカードを使ったゲームのような感覚で、脳の健康度をチェックできるツールです。
脳年齢が表示され、同年代の平均との比較や、過去の自分との経時比較ができるため、定期的に脳の状態を記録したい方に向いています。
【「のうKNOW」のメリット】
- 反応速度・注意力・視覚学習・記憶力の4つの課題に取り組みます。
- 所要時間は約15分。
- スマートフォンでも実施可能です。
- 世界的に研究に用いられてきたCogstate社の認知機能テスト(評価システム)を基盤としています。
健診機関・研究機関・自治体・企業での導入例が多いですが、個人では、脳の健康プラットフォーム「テオワン」を通じて1回500円(税込)で受けられます。
「のうKNOW」は非医療機器であり、疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。
自分でできる認知機能チェックリスト
デジタル版や有料版のチェックツールよりも手軽に試せるのが、認知機能のチェックリストです。医療・介護の現場や公的機関でも、早期の気づきに向けたチェックリストが整理されています。
「もしかして認知症かもしれない」と不安になったとき、ツールを使わないで簡単に確認できるのが、「自分でできる認知機能チェックリスト」です。東京都福祉保健局が作成したこのチェックリストは、『テヲトル』の下記ページからお試しいただけます。
(※画像をクリックすると、紹介ページに移動します。)

「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」は、設問に答えるだけで点数が表示され、無料で操作も簡単です。「ひょっとして認知症かな?」と気になり始めたらチェックしてみましょう。
このチェックリストの結果はあくまでもおおよその目安で医学的診断に代わるものではありません。 認知症の診断には医療機関での受診が必要です。
家族・介護者向けの認知症チェックリスト
「本人にチェックをすすめるのは難しい」
「まずは家族が様子を確かめたい」
そんなときにも、上述の「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を使うと、ご家族や身近な方が本人に代わってチェックすることもできます。
ご本人の様子を見て、設問に答えるだけです。
認知症早期発見チェックリスト『家族がつくった「認知症」早期発見のめやす』
上記のチェックリストに加えて、ご家族が認知症を早期発見する際のチェックリストとして役立つのが、『家族がつくった「認知症」早期発見のめやす』です。
公益社団法人「認知症の人と家族の会」の会員のご家族の経験から、日常のくらしの中で「認知症ではないか?」と思われる言動をまとめたものです。医学的な診断基準ではありませんが、日常生活の中での目安として参考にしてください。
家族が作った「認知症」早期発見のめやすチェックリスト
もの忘れがひどい
判断・理解力が衰える
場所・時間がわからない
人柄が変わる
不安感が強い
意欲がなくなる
このチェックリストは医師や「認知症の人と家族の会」の監修のもとで作られており、「何から始めればいいかわからない」というご家族の最初の一歩に適しています。いくつか思いあたることがあれば、一度専門家に相談してみることがよいでしょう。
孤独感のチェックリスト
認知症の危険因子としては社会的孤立やうつが有名ですが、近年では『孤独感』そのものも重要な要素として注目されています。孤独感が長期化すると、慢性的なストレスを通じて脳の働きを低下させる可能性も報告されています。
自分自身の孤独感に気づくための方法の一つとして、アメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームによって開発された「UCLA孤独感尺度(第3版)」があり、『テヲトル』の下記ページからお試しいただけます。
(※画像をクリックすると、紹介ページに移動します。)

この20項目の孤独感セルフチェックリストは、日本語版による信頼性と妥当性の検証が実施されています。
チェック後にできること
チェックは「やって終わり」ではありません。チェックして不安になった方も、安心した方も、その結果に応じて、「次の行動」につなげることが何よりも大切です。
脳を使う習慣をつける脳トレゲーム「ブレワク(Brain Workout)」
(※画像をクリックすると、紹介ページに移動します。)

「ブレワク(Brain Workout)」は、脳トレゲームを全10種揃えた無料のゲームです。無理なく継続できる手軽さが特徴で、日々の習慣として楽しみながら脳を使うきっかけ作りに役立ちます。
相談先を探す認知症・MCIの病院検索「ミツカル」
(※画像をクリックすると、紹介ページに移動します。)

「どこに相談すればいいのかわからない」というとき、MCI・認知症に関する医療機関を探せる「ミツカル」を活用できます。
お住まいの地域から、相談先を見つける助けになります。
結果を継続的に管理する脳の健康プラットフォーム「テオワン」
(※画像をクリックすると、紹介ページに移動します。)

脳の健康プラットフォーム「テオワン」は、認知機能チェックの結果を一元管理しながら、継続的に脳の健康と向き合うことができます。
まとめ
認知機能のチェックは、「自分で試すセルフチェックツール」と「家族が確認するチェックリスト」を、目的に合わせて使い分けるのがポイントです。
目的 | チェックツール・リスト |
|---|---|
短時間で現在の認知機能の状態の目安を知りたい | |
脳の健康度を継続して記録したい | |
自分の認知機能を手軽に確認したい | |
家族の様子を手軽に確認したい |
大切なのは、完璧に準備してからではなく、まずは気軽に、そして定期的にチェックしてみることです。早めの気づきが、これからの安心につながります。
本記事は認知機能のセルフチェックに関する一般的な情報を提供するものであり、医学的診断・治療を目的とするものではありません。紹介したツールは医療機器ではなく、結果は診断に代わるものではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. 認知機能のチェックは何分でできますか?
ツールによって異なります。本記事で紹介したエクスプレッソは約5分、のうKNOWは約15分が目安です。チェックリストは数分で答えられるものが多いです。チェックの結果はあくまでも目安で医学的診断に代わるものではありません。認知症の診断には医療機関での受診が必要です。
Q. 無料でできるチェックはありますか?
テヲトル内にあるチェックリスト(東京都福祉保健局「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」や公益社団法人認知症の人と家族の会『家族がつくった「認知症」早期発見のめやす』)は無料でご利用いただけます。のうKNOWのように、より詳しいデジタルチェックには利用料がかかるものもあります。
Q. チェックで気になる結果が出たらどうすればよいですか?
チェックは診断ではないため、結果だけで認知症・MCIと判断されるわけではありません。1つのチェックツール・チェックリストを実施してみて、自分で気になる結果が出た場合は、別のチェックツール・リストなどの実施も検討してみましょう。それでも気になる結果が出た場合は、オンライン相談や、かかりつけ医、脳神経内科・もの忘れ外来、地域包括支援センターなどへの相談を検討しましょう。
Q. 家族にチェックをすすめるときの伝え方は?
「認知症かも」と直接伝えると抵抗感を抱かれやすいため、「健康診断のように脳の状態も見ておこう」「一緒にやってみよう」という前向きな誘い方がおすすめです。
Q. チェック結果はどのくらい正確ですか?
セルフチェックはあくまで「目安」であり、医師による診断とは異なります。体調や集中力によっても結果は変動します。正確な評価には医療機関での検査が必要です。
【おまけ】認知症の「理解度」テスト
あなたは認知症やMCIのことをどれくらい知ってますか?
認知症は誰もが関わる可能性のある身近な課題となりました。認知症を自分ごととして「正しくそなえる」ための基礎知識をクイズ形式の認知症理解度テストで学んでみてはいかがでしょうか?
(※画像をクリックすると、紹介ページに移動します。)

この記事の補足情報
参考文献
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国立大学法人九州大学:認知症および軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究 報告書. 2024.[https://www.eph.med.kyushu-u.ac.jp/jpsc/uploads/resmaterials/0000000111.pdf]
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国立研究開発法人国立長寿医療研究センター「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック」[https://www.mhlw.go.jp/content/001272358.pdf](最終閲覧日:2026年7月21日)
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著者情報
- PROFILE/ プロフィール

冨田 浩輝
テオリア・テクノロジーズ株式会社 リサーチャー 国立長寿医療研究センター研究所 予防老年学研究部 外来研究員 ■経歴 理学療法士・博士(医学)。 病院、教育、研究、企業など多様な実践現場での経験を活かし、高齢者の健康寿命延伸に向けたエビデンスの創出と社会実装を推進している。専門はリハビリテーション科学および老年学。特に、高齢期における認知症予防や介護予防を目的に、身体機能・認知機能に加えて、精神的健康や社会的参加といった多面的側面からの評価と支援に取り組んでいる。地域高齢者を対象とした縦断研究や予防介入の実践を通じて、得られた科学的知見を社会に応用・展開することを目指している。
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