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認知症が一気に進む原因は?種類別原因や対策を解説
更新日:2024/08/05

認知症が一気に進む原因は?種類別原因や対策を解説

認知症が一気に進む原因は?種類別原因や対策を解説
認知症は、その進行の速さが個人によって異なり、さまざまな要因が影響する可能性があります。本記事では、認知症が急速に進行する原因と、それを遅らせるためにできることについて解説します。

認知症は多くの場合、徐々に進行する病気ですが、ある状況下では進行速度が加速することがあります。

またその進行の速さは個人によって異なり、さまざまな要因が影響する可能性があります。本記事では、認知症が急速に進行する原因として考えられる脳への刺激不足、環境の変化、ストレス、行動制限について解説します。

認知症の進行を早める主な要因

認知症の進行が急に感じられる場合、以下のような原因が考えられます。

脳への刺激不足

認知機能を維持するには、定期的な脳の刺激が必要です。 読書、パズル、会話などの活動が減少し、自分で考えることが少なくなると、脳の働きが低下、認知症の進行が加速する可能性があります。 日常的な脳トレーニングを行うことで、このリスクを低減できるとされています。

環境の変化

特に高齢者の場合、住環境や日常生活のリズムが変わることは大きなストレスとなり得ます。 引っ越しや施設への入居は、認知症の当事者にとって適応が難しく、症状の急激な進行につながることがあります。 事前に慣れ親しんだ物を用意する、定期的な訪問や通話による家族との交流を確保するなどして、ストレスを最小限に抑える工夫が必要です。

過度な指摘

認知症の当事者の交流の中で、「どうしてそんなことするの」と疑問を投げかけたくなる場面や間違いを指摘したくなる出来事に遭遇することがあります。

認知症の人々は自分の行動や記憶に自信を失いやすく、間違えたり指摘されたりする恐怖から、行動意欲・参加意欲が低下していることがあります。

そういった中での疑問の投げかけや指摘は、ストレス、不安、抑うつといった感情を引き起こし、これが認知症の進行にさらに影響を与えることがあります。

行動制限

ケガによる入院や介護施設への入居といった環境の変化による活動ルーティンの変化や、在宅介護時のご家族による行動制限などは、運動不足や社会的交流の機会減少に繋がる可能性があるため、可能な限り身体活動を継続することが推奨されています。

自宅での介護においては、当事者が安全に活動できる環境を整え、可能な限り自己決定を尊重することが望ましいです。

認知症のタイプと進行速度の違い

認知症には多くの種類があり、その特性や進行速度には大きな違いがあります。

アルツハイマー型認知症

最も一般的なタイプで、徐々に記憶力が低下していきます。初期段階では進行は緩やかですが、中期から後期にかけて急速に進行することがあります。

血管性認知症

脳の血管障害が原因で起こります。このタイプの認知症は、脳卒中後に急激に進行することが特徴です。

レビー小体型認知症

突発的な認知機能の変動や幻視が特徴です。進行速度は非常に早く、日々の状態の変化が激しいことがあります。

認知症の進行を遅らせる方法

認知症は、現在の医療では完治させることはできません。

しかし、症状がごく軽度のうちに認知症の兆候に気づき、適切な予防を行うことで、認知症の発症を遅らせたり、認知機能を維持できる可能性があります。

詳細をそれぞれの記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

バランスの良い食事

脳の健康を支えるDHAやEPAを豊富に含む魚類、抗酸化作用の高い野菜や果物、全粒穀物、ナッツ類を積極的に摂ることが推奨されます。

定期的な運動

定期的な運動は、健康の維持と全体的な体力向上に寄与します。

WHO(世界保健機関)による『認知機能低下および認知症のリスク低減』のためのガイドラインでは、
認知機能が正常な人に対し、認知機能低下のリスクを低減させる対策として、身体活動を「強く勧める」。
と記載されています。

脳トレ・認知トレーニング

パズル、数独、クロスワードなどの頭の体操は、脳を刺激し活性化させる効果があります。

社会活動

社会的なつながりを保つことは、認知機能の維持だけでなく、社会的孤立を防ぎ、心の健康を保つのに役立ちます。

薬物療法と非薬物療法

医師の診断のもと、薬物療法・非薬物療法を適切に利用することが重要です。

認知症の急速な進行を防ぐためには、個々の状況に合わせた適切なサポートで、
安心感を持ち、活動的でいられる生活環境・習慣づくりが極めて重要です。

また、適時に医療サービスや支援制度を活用することで、当事者および家族の負担を軽減し、生活の質を向上させることができます。