「家族が認知症になり、虫歯がありそうだが歯科医院へ行きたがらない」などのお悩みをかかえる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、MCI(軽度認知障害)や認知症のご本人における歯科検診について、よくある質問をご紹介します1。
認知症の人は、どのくらいの間隔で歯科検診に行けばいいのでしょうか?
認知症のご本人は歯磨きが上手にできずに磨き残しがあったり、入れ歯のつけ忘れなどもあったりするため、毎月1回歯科検診を受けるのが理想的な頻度です。
しかし、ご家族の負担が多くなってしまうため、月1回の通院が難しい場合は、数カ月おきでも構わないので定期的に検診を受けることをお勧めします。
認知症の進行段階に応じて、以下のような治療を行います。
初期・中期の認知症の場合
一般的な治療と同様です。歯周治療や歯内治療として、歯周病になっていないか、汚れがないかを確認し、歯の掃除を行います。
また、義歯の修理やばねの調整、作り直しをして、食べ物を噛んだり飲み込んだりしやすく調整しますし、ゆるくなった入れ歯は隙間を埋めたりします。
後期の認知症の場合
できる範囲での口腔ケアを行います。場合によっては細菌が増えないように歯や義歯を取り除いたりすることもあります。
進行段階に限らず、食べにくさや飲み込みにくさを軽減させるための摂食嚥下リハビリテーション指導を行います。
歯科検診には家族も同伴した方が良いのでしょうか?
食事や歯磨きについてなどの指導も行うため、可能であれば、MCIや認知症のご本人だけでなく、ご家族も一緒に来院していただくことをお勧めします。
歯科医院への通院が難しい場合にはどうしたら良いですか?
歯科医院へ通院できなくなった場合でも、訪問診療を行っている歯科医院があります。
お近くの歯科医院で訪問診療を行っている歯科医院があるか、一度調べてみると良いでしょう。
まとめ|無理のない範囲で歯科検診を
認知症のご本人を歯科医院へ通わせるには、ご家族の協力が必要となります。
ご家族の負担がかかりすぎないよう、無理のない範囲で定期的に歯科医院へ通っていただき、歯に問題がないか確認してみてください。