歯周病が認知症と関連があるって本当ですか?
歯周病と認知症は遠い疾患(病気)で一見関係がないように思えるかもしれませんが、近年は関係性が示唆されています1~3。
歯周病は歯ぐきや歯を支える骨(歯槽骨)に炎症を引き起こす病気です。初期の段階では歯ぐきが腫れて赤くなり、軽い出血が見られる程度ですが、進行すると歯ぐきがさらに腫れ、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまいます。最終的には歯がぐらついたり、抜けたりすることもあります。
歯周病の主な原因は歯垢と呼ばれる細菌です。歯垢は食べ物の残りかすや唾液から作られ、歯の表面に付着することで細菌が繁殖します。この細菌が歯ぐきを刺激し、炎症を引き起こすことで歯周病が進行します。歯周病が進行すると、歯ぐきから細菌が血液中に入り込み、全身に広がる菌血症という状態を引き起こします。
慢性歯周炎のある方はない方に比べて認知機能が低下している傾向があるという報告2や、アルツハイマー病で亡くなった方の脳組織から⻭周病菌の出す毒素が⾼頻度に検出されるなど、⻭周病と認知症の関係を示す報告が複数あります3~5。
歯周病の予防には歯磨きを
歯周病を予防するためには毎日の歯磨きが大切です。歯垢は少しずつ溜まっていきますので、歯磨きで歯の隙間に溜まった歯垢をしっかり取り除くようにしましょう。また、歯ブラシだけでは届かない部分には、歯間ブラシやフロスを使いましょう。
歯磨きだけでなく、食事や生活習慣も歯周病予防に大きな影響を与えます。糖分を多く含む食品や飲み物は歯垢を作りやすく、歯周病を放置すると細菌が全身に広がり、その他の健康問題を引き起こすリスクも増します。
歯周病予防のために定期的に歯科に行き、クリーニングや検診を受け、口腔内の健康を維持しましょう。
まとめ|歯周病が認知症と関連があるって本当ですか?
慢性歯周炎患者は認知機能が低下している傾向にあるなど、歯周病と認知症の関係性が近年示唆されています。歯周病は歯垢が原因で進行し、菌血症を引き起こします。歯周病の予防のために毎日の歯磨きと歯科医院での定期検診を行いましょう。