うつ病の診断書は、休職による社会保障・福祉制度の利用や、保険手続きなどの際に必要となります。
本記事では、うつ病の診断書が求められる具体的な状況や取得方法、発行までに時間を要するケースについて解説します。
うつ病の診断書が必要な状況
勤務先や国、保険会社から適切な措置やサポートを受けるために、診断書の提出が求められる主な場面は以下の3つです。
1. 勤務先へ提出(休職や業務調整など)
うつ病と診断され、これまで通りの勤務が病状の悪化につながると予想される場合には、業務内容の調整や休職、退職の選択肢を含めた休養が必要なことがあります1。事業者は、本人の治療や業務の状況を踏まえ、就業継続や職場復帰の可否、必要な配慮事項について検討します2。この際、判断材料として医師の意見が求められます。
一般的には「診断書」が用いられますが、より詳細な就業上の措置を検討するために、厚生労働省のガイドライン等では「主治医意見書」の活用が推奨されています2。主治医意見書には、現在の症状や治療予定に加え、具体的な就業継続の可否や配慮すべき事項が記載され、休職後の復職判断においても参考資料として活用されます2。
2. 社会保障制度・福祉制度の利用
公的な支援制度を利用する際にも医師の証明が必要です。
労災保険
業務が原因で発症した場合、労働基準監督署への療養費用請求時に、診察した医師の証明が必要です3。
傷病手当金
病気で働けなくなった場合に健康保険組合から支給されます。申請書には医師の記入欄があります4。
障害者福祉サービス等
通院医療費が軽減される「自立支援医療(精神通院医療)」5、精神障害の状態を認定する「精神障害者保健福祉手帳」6、生活を支える「障害年金」7などの申請において、病状や治療の必要性を証明する診断書が審査の重要書類となります。
3. 民間保険の手続き
加入している生命保険や医療保険の種類によっては、うつ病も給付対象となる場合があります(入院給付金や就業不能保険など)。
保険会社は、診断名や治療内容、入院期間などが記載された診断書をもとに支払いを審査します。保険会社独自の診断書様式(指定書式)が必要な場合も多いため、事前に確認しておくと手続きがスムーズです。
うつ病の診断書の取得方法
診断書には通常、診断名、病状、療養が必要な期間などが記載されます。請求目的によっては、日常生活や仕事への影響に関する記述も求められます。
主治医に依頼、使用目的と期限を伝える
診断書は患者の求めに応じて発行されます。依頼の際は、「会社への休職申請のため」「保険請求のため」など、何のために必要なのかを必ず伝えましょう。
発行までの期間は医療機関により異なり、即日発行されることもあれば、2~3週間かかることもあります。提出期限がある場合は、早めに医師へ相談することが大切です。
受け取りは窓口が一般的ですが、郵送対応の可否は医療機関へ確認してください。
なお、診断書の内容は医学的判断に基づいて作成されるため、希望する表現や期間がそのまま記載されるとは限らない点も理解しておくことが大切です。
即日発行が難しいケース
うつ病の診断は、症状や経過、心理検査などを総合的に判断するため、初診ですぐに確定診断がつかないことがあります。特に専門的な鑑別が必要な場合や、他の精神疾患との区別が難しい場合は、複数回の通院を要します1。
また、過去に診断を受けていても、長期間受診していない(治療中断がある)場合は現在の病状が把握できないため、改めて診察と経過観察が必要です。 診断書が必要とわかった時点で計画的に依頼し、期限が迫っている場合はその旨を医師に相談しましょう。
まとめ
うつ病の診断書は、勤務先での休職手続きや公的支援、保険給付を受けるために重要な書類です。 発行にかかる期間は医療機関や病状によって異なります。特に初診時や久しぶりの受診時は、診断確定までに時間を要することもあるため、提出期日に余裕をもって医師へ相談することで、必要なサポートをスムーズに受けられるでしょう。





