身辺雑記:オトーチャンと認知症
<作品のあらすじ>
この連載では、認知症のお義父さまとご家族の日常を漫画家・くるねこ大和さんが描きます。お義父さまにやさしく寄り添いながら向き合っていく様子には、認知症のご本人との接し方のヒントが詰まっています。
見当識障害は、認知症に伴う中核症状の1つとして知られています。脳の認知機能が低下することで「今がいつなのか」「今はどこにいるのか」「周りにいる人は誰なのか」といった基本的な認識が困難になる状態です。
見当識障害に伴うひとり歩きは、場所や時間の認識が曖昧になることで起こります。くるねこ大和さんはどのような対策を取ることにしたのでしょうか。
【作者紹介】くるねこ大和 さん
認知症のお義父さまの一人暮らしを、夫婦でサポート。その様子を漫画に描き、SNSで公開中。猫と山羊の漫画家として活躍し、代表作は『くるねこ』シリーズ(KADOKAWA)。
Instagram:kuru0214neko
blog:blog.goo.ne.jp/kuru0214
登場人物の紹介
オトーチャン、義父(パパ)さん
妻が亡くなったことをキッカケに認知症の症状が進む。息子夫婦のサポートを受けながら一人暮らしをしている。
私(くるねこ大和、ヨメジョ、くるね子)

この漫画の作者。認知症のお義父さんを夫とともに介護している。食事を作る担当。
夫
認知症になったオトーチャンの介護を、中心になって行っている。身の回りの世話や、病院やデイサービスの対応を担当している。
【漫画】オトーチャンの散歩
監修医からのコメント
認知症のご本人が行きたいところに行けなくて、歩き回ることは珍しくありません。
この場合に、事故のリスクを減らすため一律に外出を禁止するか、今回のように位置情報を把握することで外出を禁止しないか考え方が分かれるところだと思います。
ちなみに私もくるねこ大和さんと同様、多少リスクはあってもご本人の行動制限を最小限にしたいと言う考えです。なんでも制限されると苦しいですもんね。
監修医
たろうクリニック 理事長・院長
内田 直樹 先生

認知症専門医。医療法人すずらん会たろうクリニック院長、精神科医、医学博士。1978年長崎県南島原市生まれ。2003年琉球大学医学部医学科卒業。2010年より福岡大学医学部精神医学教室講師。福岡大学病院で医局長、外来医長を務めたのち、2015年より現職。福岡市を認知症フレンドリーなまちとする取り組みも行っている。日本老年精神医学会専門医・指導医。日本在宅医療連合学会専門医・指導医。