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糖尿病になると皮膚はどうなる?主な皮膚症状とその対処法を解説
更新日:2026-05-19

糖尿病になると皮膚はどうなる?主な皮膚症状とその対処法を解説

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糖尿病に伴う主な皮膚の自覚症状

糖尿病になると、皮膚が乾燥し、かゆみやひび、たこや魚の目、水虫などさまざまな皮膚症状が現れます。免疫の働きが低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。目立たない皮膚症状でも、「これくらい大したことない」と放置すると、症状が進行し、最悪の場合は足の切断に至る重篤な合併症を引き起こすこともあるため、早期の発見と治療が大切です1

かゆみやひび

自律神経の障害によって汗をかきにくくなり、皮膚が乾燥してかゆみ2やひびが起こりやすくなります1
乾燥とは別に、女性では尿に含まれる糖が皮膚を刺激してデリケートゾーンがかゆくなることもあります2

傷がなかなか治らない

糖尿病では怪我をしても治りが遅く、赤みや腫れが続いたり、化膿してじゅくじゅくした状態が長引いたりすることがあります1
また、痛みに気付きにくい場合があるため1悪化してから気付くケースも少なくありません。

足の感覚が鈍い気がする

末梢神経の障害によって、足の感覚に異常があらわれやすくなります。
はじめから「触ってもわからない」といった感覚が鈍くなる症状(陰性症状)が出るのではなく、「足先がビリビリする」「歩くと足裏が変な感じがする」といった異常な感覚(陽性症状)が主にみられます3

皮膚が硬くなっている

糖尿病性浮腫性硬化症(ふしゅせいこうかしょう)と呼ばれる皮膚の硬化がみられることがあります4
皮膚が厚く盛り上がって見え、特に首の後ろや背中の上部にあらわれやすいとされています。境界がはっきりとした動かしにくい皮膚のかたまりで、指でつまめないほど硬く、押しても跡が残らないのが特徴です。湿疹や赤みなど他の皮膚症状は伴わないとされています4。 

たこや魚の目ができやすい

糖尿病では足の痛みを感じにくくなるため、足に強い負担がかかっていても見逃してしまいがちです。その状態が続くと、足の関節が変形して体重のかかり方が変わり、たこや魚の目ができやすくなります1
たこや魚の目に圧力がかかり続けると、その下の皮膚の血流が悪くなり、皮膚の壊死や潰瘍(深い傷)につながることがあります1

水虫になる

水虫とは、白癬菌(はくせんきん)という真菌(カビ)による皮膚の感染症です。足に生じるものは一般に水虫と呼ばれ、足の指の間や足裏に白い粉のような皮むけがみられます1
また、爪に白癬菌が感染すると爪白癬と呼ばれ、爪が黄色く濁って厚くなるのが特徴です。糖尿病の方では、特に起こりやすい感染症のひとつです1

赤い腫れや熱感、痛みがある

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、小さな傷から皮膚の深い層にブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が入り込んで起こる皮膚の感染症です。糖尿病の方は発症リスクが高いとされています1
赤く腫れ、触ると熱感や痛みがあり、しだいに範囲が広がっていくのが特徴です。身体のどの部位にも発症することはありますが、特に足に多くみられます1

自分では気付きにくい、糖尿病で生じやすい皮膚の症状

症状が目立たない場合、気付かないうちに皮膚に変化があらわれていることがあります。
たとえば、糖尿病性水疱症では健康な皮膚の上に突然、透明な液体が入った水ぶくれが生じます。痛みやかゆみがないため、自分では気付きにくい可能性があります5

この水ぶくれを破ると菌が入りこみ二次感染を引き起こす場合があるため、つぶさずに清潔を保ち、ガーゼなどで保護した上で、絶対に自己判断せず、速やかに皮膚科や主治医を受診することが大切です5

また、すねの前側に褐色で小さな円形のシミがみられることもあります。これは、糖尿病性皮膚症と呼ばれ、長く糖尿病を患っている方に多くみられる症状です6

糖尿病で皮膚が変化する理由

糖尿病では、いくつかの要因が重なって皮膚トラブルが起こりやすくなります。

・神経の障害
自律神経が障害されると汗腺の働きが弱まり、皮膚が乾燥しやすくなります1。乾燥はかゆみやひびにつながり、皮膚のバリア機能も低下して感染を引き起こしやすくなります1
また、末梢神経が障害されると痛みや違和感に気付きにくくなり、小さな傷やトラブルを見逃しやすく症状が進行してしまうことがあります1

・末梢血管の障害
末梢血管が障害されると血流が悪くなり、傷の治りに必要な栄養や免疫細胞、抗生物質が患部に届きにくくなります。結果として、傷が治りにくく感染が悪化しやすくなります1

・免疫機能の低下
高血糖の状態が続くと身体を守る免疫細胞の働きが弱まり、細菌や真菌に対する抵抗力が低下します1。そのため、水虫などの感染症にかかりやすく重症化することもあります。

糖尿病による皮膚の変化への対処法

糖尿病では皮膚が乾燥しやすく感染も起こりやすくなるため1、日常的なケアが欠かせません。
皮膚症状の悪化を防ぐには、適切な血糖コントロールを続けるとともに、医師に皮膚の状態を確認してもらいましょう1
また、自宅でのスキンケアやフットケアを習慣にすると、皮膚トラブルの予防に役立ちます1

通院治療を途中でやめない

糖尿病による皮膚の変化への対処には、血糖コントロールがとても重要です。
水虫や爪白癬は、血糖コントロールが悪いほど発症リスクが高いことがわかっています1
また、免疫機能の低下や自律神経・末梢神経の障害を改善するためにも、継続した治療が求められます1

さらに、定期的な通院によってご自身では見逃しがちな症状を早期に発見し、治療につなげることができます。たとえば、水虫や爪白癬は軽く見られがちですが、放置すると足のトラブルを招く場合があるため早めの治療が必要です1

特に、水虫と湿疹は見た目だけでは区別しにくいため「水虫かも?」と思ったら早めに医師に相談しましょう。水虫の場合、自己判断でステロイド外用薬を長期間使用するとかえって悪化するおそれがあります1

スキンケアを継続する

保湿剤の使用は、糖尿病による皮膚の乾燥を改善させると報告されています1
皮膚が乾燥しているとバリア機能が低下して感染を引き起こしやすくなるため1、お風呂上がりにはボディクリームを塗るなどの保湿を心がけましょう。

フットケアを行う

巻き爪や厚く変形した爪は傷の原因になることがあるため、適切な長さに切ったり、やすりで整えたりするケアが必要です1
また、毎日の足浴は水虫や爪白癬の感染リスクを減らすとされています1

ご自身の足の状態を毎日チェックすることも重要です。
乾燥や傷、たこや魚の目は感染を引き起こすきっかけになります。たこや魚の目はご自身で削ると小さな傷から重大な細菌感染を引き起こす恐れがあるため、必ず専門家に処置してもらうようにしましょう1
また、足の熱感や左右差を毎日観察することで、潰瘍を予防できたという報告もあります1

まとめ|糖尿病による皮膚のサインに気付き、早めに対処しましょう

糖尿病ではさまざまな皮膚症状があらわれます。乾燥しやすく皮膚のバリア機能が低下するため、保湿を意識しましょう。
また、水虫や赤い腫れなどは放置しておくと感染が悪化し、重症化するおそれがあります。
特に足の症状は末梢神経の障害によって気付きにくく、見逃してしまうケースも少なくありません。

日常的にご自身の足の状態を観察して、異変があれば早めに医師への相談を検討し、皮膚を良い状態で維持しましょう。

参考文献

1, 宮垣朝光:糖尿病に伴う皮膚感染症と足病変. 日環感染誌. 2017;32(6):337-43.
2, 小川秀興:糖尿病と皮膚疾患. 順天堂医. 1974;20(4):442-5.
3, 有村公良, 他:糖尿病と末梢神経障害. 日内会誌. 2009;98(2):399-405.
4, 坂内千恵子, 他:糖尿病性浮腫性硬化症に関する臨床的・組織学的研究. 糖尿病. 1991;34(10):895-900.
5, Mota AN, et al:Case for diagnosis. An Bras Dermatol. 2013;88(4):652-4.
6, Marinescu M, et al:Diabetic Dermopathies as Predictive Markers of Cardiovascular and Renal Complications: A Narrative Review. J Clin Med. 2025;14(21):7719.

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