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インストラクター必見!スポーツトレーナーが語るブレパサイズ®の魅力
更新日:2021/12/08

インストラクター必見!スポーツトレーナーが語るブレパサイズ®の魅力

インストラクター必見!スポーツトレーナーが語るブレパサイズ®の魅力

エーザイ株式会社は、2022年3月24日に脳を活性化する運動プログラム「ブレパサイズ」を公開しました。プログラム名にもある「ブレパ」とは、記憶力・思考力・判断力など、日常生活における脳のパフォーマンス(脳の健康度)を指すブレインパフォーマンスの略称です。日頃から自身のブレパに留意することで、生活習慣の改善や脳の健康度低下の気づきに役立つと考えられています。

(2022年2月10日取材)

ブレパサイズを日常生活に取り入れることで、どのようなことが期待できるのでしょうか。ブレパサイズの開発に携わったスポーツトレーナーの齊藤邦秀さんと鈴木悠さんに、ブレパサイズの魅力や活用方法などを伺いました。

インストラクター

リモートコント先生
齊藤邦秀さん

スポーツトレーナーとしての経験をもとに、医療分野とフィットネス・スポーツ分野をつなぐ存在として、全国各地で、スポーツチーム・ 企業・学校・行政などへの講演活動や運動指導を行いながら、教育コンサルティング、プログラム開発、TV・雑誌の監修などを行う。有限会社Wellness Sports代表、NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)副代表、(公)日本健康スポーツ連盟日本メディカルフィットネス研究会委員、ドイツ・ライプチヒスポーツ科学交流協会理事、一般財団法人国際予防医学協会運動指導部門代表講師なども務める。

インストラクター

リモートコント先生
鈴木悠さん

フィットネスインストラクター。都内スポーツクラブを中心に、ダンス・エアロビクス・サイクル・トレーニング等のグループレッスン指導を行う。グループエクササイズのプログラム開発やインストラクター育成も手掛ける。パーソナルトレーナーとしても活動中。

ブレパサイズ®とは?

ブレパサイズは、エーザイが国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの島田裕之先生を監修に迎え、スポーツトレーナーの齊藤邦秀さんと鈴木悠さんとともに開発した、脳の運動プログラムです。音楽に合わせて体を動かし、「じゃんけん」や「計算」などの知的課題を同時にこなすことで脳へ刺激を与えます。

ブレパサイズの動画切り抜き

ブレパサイズの動画は「ファイター」「ダンス」「リズム」の全3種類で、それぞれ難易度別に5本ずつ用意されています。ブレパサイズの特設サイトで視聴することができます。

ブレパサイズ®は脳に対して「漸進性・過負荷の原則」を用いたプログラム

まずはお二人が考えるブレパサイズ®の魅力を教えてください。

齊藤:ブレパサイズは、体だけでなく脳のトレーニングも行えるというのが魅力です。近年トレーニング業界では、難易度や負荷を少しずつ高めていくことで効果を上げる「漸進性・過負荷の原則」が用いられた、筋トレやエクササイズがたくさん出てきています。ただ、脳に対してこの原則を用いたエクササイズは、今までほとんどありませんでした。

齊藤邦秀さんと鈴木悠さんの対談写真01

齊藤:今回のブレパサイズは、手だけのエクササイズ、次に足の動きも組み合わせたエクササイズ、さらに知的課題を加えたエクササイズというように、1本の動画の中で段階的に動作の難易度が上がっていきます。まさに脳に対して「漸進性・過負荷の原則」を用いたプログラムというのが特徴です。

鈴木:ブレパサイズの魅力のもう一つが、継続していただけるよう音楽でエンターテイメント性も取り入れていること。というのも脳へ刺激を与えるためには、継続して取り組んでいただくことが大切だからです。

私は振り付けを担当したのですが、音楽に合わせて自然と体を動かしたくなるような楽しげな動作で、自宅でも畳一枚分の広さがあれば取り組める内容を心がけました。ブレパサイズの動画を見ながら一人で行う方もいることを想定して、同じ場所にいなくても一緒に運動していると感じてもらえるように、動画中には視聴者を鼓舞するような声かけを入れるなど、工夫しています。

ブレパサイズ®と他の運動ではどのような違いがあるのでしょうか?

齊藤:一般的なエクササイズは、正しい動きを繰り返し学んで習得し、エネルギー消費を高めること、達成感を味わってもらうことを目的としていることが多いですが、体と脳をバランス良く使えているかというとそうではなくて。

ブレパサイズは、手と足の動きの組み合わせに加え、知的課題もあるなどマルチタスクとなっており、さらにこの知的課題も段階的に難しくなっていきます。体も脳もフル活用できる点が、他の運動との違いでしょう。

鈴木:インストラクター的な視点で言うと、従来のエクササイズや運動は、動きを覚えてもらって、覚えてもらった動きの精度を上げていくことがゴールだと思うのですが、ブレパサイズは今までにない刺激を脳に与えること自体が目的です。動きを覚えてもらうよりは、新たな動きにチャレンジしてもらうことに意味がある、というのが他の運動との違いだと思います。

齊藤邦秀さんと鈴木悠さんの対談写真01

齊藤:できるようになるためにトライする、このプロセスが重要でして。ブレパサイズは、総合的に運動能力を向上させると言われるドイツの「コオーディネーショントレーニング」が大元にあります。コオーディネーショントレーニングの教えの一つが、「多種多様な運動を行って脳を多少混乱状態にさせ、その状態に適応しようとして新たな回路を作ることで、運動能力が向上する」というものです。

僕は25年以上トレーナーをしており、ドイツで学んだコオーディネーショントレーニングの指導も行ってきましたが、指導を続けて受けている高齢者は、頭の回転が速く元気な方々ばかりです。一方、コオーディネーショントレーニングの指導を受けていない方は体力が低下しやすく、脳と体の健康で前者と大きな差が開いてしまっている印象です。年齢を重ねるごとに脳を刺激する体験は自然と減ってしまいますので、ブレパサイズなどで意識して脳と体を動かすことが人生100年時代を健康に過ごすためには大切だと感じています。

インストラクターは「できなくてもいい」と利用者に伝え続けることが重要

今回、どのようなことにポイントを置きながらブレパサイズ®のプログラムを開発されましたか?

鈴木:「ブレパに良い運動」というのがコンセプトだったので、どうしたら脳への良い刺激になるかを意識して振り付けを考えました。注目したのは、人間の体が自然としてしまう動きは何かということ。初級では自然な動きを意識した振り付けにしつつ、段階的にあえて自然にはしづらい手足の動きの組み合わせにアレンジしています。

齊藤邦秀さんと鈴木悠さんの対談写真01

齊藤:ブレパサイズはジャンルが大きく3つありますし、それぞれに知的課題を5種類ずつ用意しています。豊富なバリエーションのプログラムを体系的に用意することで、飽きずに続けてもらえるよう工夫しました。

ジムや自治体プログラムなどでブレパサイズ®の指導をする場合、インストラクターはどのような点を心がければいいでしょうか?

鈴木:インストラクターには「運動プログラムを作成する」「動きを教える」「動きの見本を示す」という運動指導者としての役割があります。しかし、注意をしないと動作の指示だけに終始してしまい、利用者から「できなかった=つまらなかった」と思われてしまう可能性があります。

ブレパサイズは「完璧にできなくてもやってもらうことが重要」と先述しましたが、このやる意義をインストラクターの方が利用者へ伝え続けることが大切です。継続してもらう工夫としては「次回はこの動きから始めますよ」と伝えて宿題を出す、あるいは「お風呂上がりにこの動きをやってみてね」と伝えて日常生活の中でブレパサイズを思い出してもらう、といったやり方もいいかもしれません。

齊藤:今回各専門家が知見を出し合い、かなり細部までプログラムを作り込んでいますので、インストラクターさんにもまずはそのまま全てトライしていただきたい。その上で自分なりにアレンジしてもらうのがいいかな、と。インストラクターさんには、エクササイズの指導というよりは、利用者一人ひとりが自分自身で健康的なライフスタイルを組み立てられるよう導いていただきたいですね。

利用者は心や体の調子に一喜一憂せず、継続していくことが大切

ブレパサイズ®のおすすめの利用頻度や利用シーンがあれば教えてください。

鈴木:できれば毎日行ってほしいですね。1日が始まるタイミングでブレパサイズを行えば、気持ちよく頭も体も目覚めるのではないでしょうか。

齊藤:好きな時間に行っていただいて大丈夫ですが、寝る3時間前を過ぎたら交感神経が活性化してしまう可能性があるので、控えた方がいいかもしれません。

齊藤邦秀さんと鈴木悠さんの対談写真01

最後にブレパサイズ®の利用者に向けて、継続するコツや心がけるべきことなどがあれば教えてください。

鈴木:ブレパサイズは何よりも継続することが大切なので、思うようにできなくても、動画・レッスンの途中でやめてしまったとしても「日々取り組んでいるだけで偉い」と自分を褒めて欲しいですね。目に見えてできるようにならなくても、脳は活性化しているので続けていただきたいです。

齊藤:ブレパサイズを利用する上で心がけていただきたいのは、心や体が良い状態だろうと悪い状態だろうと一喜一憂しないこと。理想をあまり高く掲げずにちょっとずつライフスタイルに脳の健康を意識する習慣が定着すればいいと思っています。「自分の体と心をどう良い状態にしていくか」を追求していくことで、快適な心と体、頭が維持できていくでしょうし、それが日常生活のいろいろな動作、楽しみに繋がっていくと思います。

ブレパサイズのマルチタスクスキルは、車の運転など日常生活でも役立つ場面が結構あるでしょう。継続していくうちに、日常生活においても変化が感じられると、より面白く取り組めるようになるのではないでしょうか。ブレパサイズで脳と体をバランス良く使って、人生100年時代の健康に備えていただきたいですね。

取材・文:中森りほ 編集:ノオト

ブレパサイズはエーザイ株式会社の登録商標です。

ブレパサイズは疾患の治療や予防を目的としたものではありません。

ブレインパフォーマンス(脳の健康度:通称ブレパ):「記憶する」「考える」「判断する」など、脳のパフォーマンスを指す言葉。

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