一言で「脳の病気」と言っても、原因や症状はさまざまです。無症状でそのままにしておいても問題ない病気もあれば、すぐに対処が必要な注意すべき病気もあります。
心配事や症状があり、どの診療科にかかればよいのか、判断に迷う方もいるでしょう。
本記事では、主な脳の病気、特に注意すべき病気と症状、かかるべき診療科、脳の病気の予防法や対策について解説します。
注意すべき脳の病気や疾患の前兆・初期症状
脳疾患の原因はさまざまですが、中には早急な対応が必要なものもあります。
特に、激しい頭痛、身体の片側に力が入らない、呂律が回らない、立ち上がれない、といった症状は、命にかかわる脳血管疾患の可能性があります1。
ここでは注意したい脳の病気とその前兆となる症状を解説します。
|
疾患 |
症状 |
|---|---|
|
脳梗塞 |
顔の片側が歪む、身体の片側に力が入らない、呂律が回らないなど1 |
|
脳出血 |
頭痛、手に力が入らない、呂律が回らないなど1 |
|
くも膜下出血 |
突然の激しい頭痛、意識障害など1 |
|
脳腫瘍 |
頭痛、吐き気、意識障害など。発生場所によってさまざま2 |
|
慢性硬膜下血腫 |
頭痛、もの忘れ、麻痺、ふらつき、意識障害など3 |
(文献1,2,3を参考に編集部作成)
半身が麻痺する
身体の片側だけ麻痺する、動かしにくい、といった状態は、脳梗塞や、その前触れとなる一過性脳虚血発作を起こしている可能性があります。脳の血管が詰まって脳細胞がダメージを受けるために発生する症状です4,5。
放置すると脳細胞は壊死し、回復することはありません。しかし、数時間以内に血流を復活させれば、症状の改善が見込めます。半身の麻痺や顔のゆがみなどに気が付いたら、すぐに救急車を呼び、医療機関を受診しましょう4。
頭痛がする
突然激しい頭痛が起こった場合、くも膜下出血を起こした可能性があります。「脳卒中」に分類される疾患のうち、最も死亡率が高い病気です4。早急に救急車を呼びましょう。
また、脳腫瘍ができて脳内が圧迫され頭痛がすることがあります。朝起きた時に特に症状が強い、という場合は要注意です2。
呂律が回らない、言葉が出ない
脳梗塞や脳出血などの脳卒中、一過性脳虚血発作が起こると、発生した場所によっては呂律が回らない、思ったように言葉が出てこない、他の人の言葉の意味が理解できない、などの症状が現れることがあります。
自分でも他人でも、「様子がおかしい」と感じたら救急を受診しましょう1。
立てない、ふらつく
力はあるはずなのに立ち上がれない、歩くときにふらついてバランスが取れない症状は、脳卒中や慢性硬膜下血腫などで見られることがあります。
脳以外の病気も考えられる症状ですが、普段の様子とは明らかに違う場合はすぐに対処が必要です4,5。
吐き気がする
脳腫瘍で脳内が圧迫され、頭蓋骨内の圧力が高まると吐き気が起こることがあります。
頭蓋骨の中の圧力は寝ている間にやや高くなるため、朝起きた時に症状が強く出ることがあります。早めの対応が望まれる状態です2。
ものの見え方がおかしい
脳梗塞や脳出血、脳腫瘍が後頭葉や脳幹、脳神経など、物の見え方に関わる部位に発生すると、ものが二重に見えたり、視野が欠けたりすることがあります。
軽い症状の場合は見逃してしまうことがありますが、すぐに医療機関を受診しましょう2,4。
もの忘れや記憶力の低下がある
慢性硬膜下血腫や脳腫瘍が発生すると、場所によってはもの忘れや記憶力、認知機能の低下などが起こることがあります。
慢性硬膜下血腫は、1ヵ月ほどかけてだんだん大きくなるため、症状も少しずつ出ることが多いです。たまった血を取り除く治療で9割が治ります。
認知症など他の病気でも起こる症状ですが、早めの処置が望まれます2,3。
脳の主な病気・疾患症状一覧
主な脳の病気を一覧でご紹介します。
脳血管障害
脳血管障害とは、脳の血管に障害が起きてさまざまな症状が起こる病気です。
脳の血管が詰まって起きる脳梗塞や、血管が破れて起こる脳出血やくも膜下出血などを総称して、「脳卒中」と呼ばれることもあります4。
|
分類 |
病名・症状 |
特徴 |
|---|---|---|
|
虚血性脳血管障害 |
脳梗塞(ラクナ梗塞) |
脳の細い動脈が詰まって生じる。意識障害や脳の表面の損傷による障害はないとされる4。 |
|
脳梗塞(アテローム血栓性脳梗塞) |
頭蓋骨内外の太い血管が詰まって生じる。段階的に症状が悪化しやすく、意識障害や脳の表面を損傷すると障害が起こることもある4。 |
|
|
脳梗塞(心原性脳塞栓症) |
心臓内でできた血栓が脳に移動して詰まることで生じる。不整脈などの心疾患が原因で、意識障害や脳の表面の損傷による障害が起こることが多い4。 |
|
|
一過性脳虚血発作(TIA) |
脳の血流が一時的に悪くなり、24時間以内に症状が消失する疾患。手足の麻痺や言語障害、目の見えにくさなどが起こり、脳梗塞の一歩手前の状態と言われている6。 |
|
|
出血性脳血管障害 |
脳出血(脳内出血) |
脳の血管が破れ、脳内で出血する疾患。症状は出血した場所や範囲によって異なる。意識障害や手足が動かしにくい、といった症状が起こることがある7。 |
|
くも膜下出血 |
脳の表面にあるくも膜下腔で出血が起こった状態。発症すれば25~50%の方が亡くなると言われている。突然の激しい頭痛が特徴8。 |
(文献4,6,7,8を参考に編集部作成)
また、脳の血管において、脳卒中の原因になりうる血管の異常や奇形が生じることがあり、症状がないものでも治療が必要なケースがあります。
脳血管の異常や奇形
|
病名・症状 |
特徴 |
|---|---|
|
脳動脈瘤 |
脳の動脈に瘤ができる疾患。破裂するとくも膜下出血が起こる。大きいものだと、片側のまぶたが下がる、物が二重に見えることがある9。 |
|
もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症) |
脳に栄養を送る太い動脈がだんだん細くなり、足りなくなった血流を補うために周りに新しい血管が発達する疾患。新しい血管は細くてもろい。過呼吸によって、手足に一時的に力が入らなくなる発作が起こることがある10。 |
|
海綿状血管腫 |
血管奇形の一種。ほとんどの場合は無症状だが、症状が現れた場合は治療が必要となる11。 |
|
脳動静脈奇形 |
動脈と静脈が直接つながる異常。破裂すると脳出血やくも膜下出血につながる。状態に応じ、内科治療か外科治療が選択される12。 |
(文献9,10,11,12を参考に編集部作成)
神経変性疾患
脳の神経が減ったり消失したり、といった「変性」が原因で起こる疾患です。
脳神経の変性が起きると、認知機能や運動機能に障害が生じることがあります。
神経変性疾患
|
分類 |
病名・症状 |
特徴 |
|---|---|---|
|
認知機能障害をきたす疾患 |
アルツハイマー型認知症 |
長期に渡って脳内にアミロイドβなどの異常なたんぱく質が溜まり、神経細胞が壊されて脳が委縮するために発症する。 昔のことはよく覚えているが、最近のことは忘れてしまう傾向にある。徐々に進行して時間や場所の感覚がなくなっていったり、状況に応じた判断が困難になったりする13。 |
|
レビー小体型認知症 |
レビー小体と呼ばれる異常なタンパク質が脳内を中心に溜まり、神経細胞が壊されるために発症する。現実には見えないものが見える幻視や手足の震え、筋肉が固くなる、といった症状が現れる13。 |
|
|
前頭側頭型認知症 |
脳の前頭葉や側頭葉で神経細胞が減少し、脳が萎縮するために発症する。 感情の抑制が効かなくなったり、社会のルールを守れなくなったりすることがある13。 |
|
|
運動障害をきたす疾患 |
パーキンソン病 |
中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して起こる疾患。ドパミン神経細胞が減少する理由は、現時点ではっきりわかっていない。 振戦(ふるえ)、動作緩慢(ゆっくりした動き)、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(転びやすい)が主な症状14。 |
|
筋萎縮性側索硬化症(ALS) |
運動を支配する神経が主に障害されるために、手足、喉、舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が痩せて力がなくなっていく原因不明の疾患。 手指の使いにくさや肘から先の力が弱くなる、飲み込みにくい、話しにくいといった症状から始まり、やがて歩行や呼吸が困難になる15。 |
|
|
脊髄小脳変性症(SCD) |
遺伝子変異などによって起こる、小脳や脊髄の神経細胞が変性して起こる運動失調症の総称。 歩行時のふらつきや、手の震え、呂律が回らない、といった症状が起こる可能性がある16。 |
|
|
原発性側索硬化症 |
大脳から脊髄にかけての運動神経が障害され、45歳を過ぎた頃から下肢のつっぱる感じや歩行障害などを発症する疾患。その後だんだん上肢に症状が広がる。大人の原因は不明17。 |
|
|
ハンチントン病 |
大脳の基底核や皮質が変性・萎縮するために発症する、常染色体顕性遺伝の疾患。不随意運動やうつ症状、神経症の症状などが起こる18。 |
|
|
その他 |
プリオン病 |
脳に異常なプリオン蛋白が沈着し、脳神経細胞の機能が障害される病気の総称。発症後数か月で寝たきりになる。 クロイツフェルト・ヤコブ病が代表的19。 |
(文献13,14,15,16,17,18,19を参考に編集部作成)
脳腫瘍
脳にできた腫瘍や、ほかの臓器から脳に転移してできた腫瘍です。良性・悪性どちらの場合もあります。
|
疾患名 |
概要 |
|
神経膠腫(グリオーマ) |
脳にある神経膠細胞から生じる悪性の腫瘍。大きくなると脳が浮腫み、頭痛や吐き気を始めとしたさまざまな症状が起こる2。 |
|
髄膜腫 |
脳と脊髄を覆う髄膜から生じる腫瘍。脳腫瘍で最も多く、大部分は良性2。 |
|
下垂体腺腫 |
脳の下垂体の一部が腫瘍化したもの。ホルモンを産生するものとしないものがある2。 |
|
中枢神経系原発悪性リンパ腫 |
脳から発生した悪性リンパ腫。脳以外にリンパ腫がないことを確認して初めて診断される2。 |
|
転移性脳腫瘍 |
ほかの臓器でできたがんが、血液の流れで脳に転移して発生したもの2。 |
(文献2を参考に編集部作成)
精神疾患
脳の機能障害によって感情や思考、認知、行動などに症状が現れ、日常生活に支障をきたす状態です。
|
疾患名 |
概要 |
|
うつ病 |
脳が上手く働かなくなり、精神的、身体的な症状で日常生活に支障をきたした状態。ストレスや身体の病気、治療薬が原因となりうる20。 |
|
睡眠障害 |
週3日以上、3ヶ月以上の慢性的な不眠が続く状態。ストレス、生活習慣、病気の影響などが原因21。 |
|
双極性障害 |
脳の機能異常で躁(病的な高揚感)とうつの両極端な状態をくりかえす疾患。うつ病と間違えられることがある。遺伝や環境などが原因だとされている22。 |
|
統合失調症 |
心や考えをまとめるのが難しくなる疾患。幻覚や妄想が特徴的な症状23。 |
|
パニック症/パニック障害 |
身体的な疾患はないのに、動悸、呼吸困難感、発汗といった身体症状が突然2回以上現れ、不安で外出などが極端に制限される状態24。 |
|
摂食障害 |
食事の量や食べ方などの異常行動が続き、体重や体形をはじめ、心身に影響が及んだ状態。神経性やせ症、神経性過食症などに分かれている25。 |
|
神経発達症(発達障害) |
脳の働き方が異なることで生じる思考や行動により、日常生活に支障がある状態。知的障害、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)などがある26。 |
(文献20,21,22,23,24,25,26を参考に編集部作成)
脳機能障害・その他疾患
上記で紹介した以外にも、脳に関わる病気や疾患があります。
|
疾患名 |
概要 |
|
てんかん |
脳の神経細胞が異常な電気活動を起こし、さまざまな症状が起こる状態。脳のどの部分で異常が起こるかで症状は異なる。原因がある症候性と、特発性に分けられる27。 |
|
高次脳機能障害 |
脳が損傷したために起こる認知障害の総称。症状に合わせたリハビリテーションで回復する場合がある28。 |
|
せん妄 |
脳神経や内科の疾患の影響で、幻覚が見えたり、興奮したりといった精神症状が起こる状態。不眠、治療薬、寝たきり、脱水、視覚・聴覚障害で促進される29。 |
|
インフルエンザ脳症 |
インフルエンザに伴って発症する急性脳症。重症の場合は死亡することもある30。 |
|
髄膜炎・脳炎 |
脳や髄膜が感染症を起こし、頭痛や吐き気、発熱、意識障害などが生じる。髄膜細菌性とウイルス性に分かれる31。 |
|
水頭症 |
脳出血や脳腫瘍などにより、髄液の流れが悪くなり、脳室に過剰に溜まった状態2。 |
(文献27,28,29,30,31を参考に編集部作成)
脳の病気を引き起こす主な原因とリスク
脳の病気は遺伝や外傷など、さまざまな原因で発症します。
また、生活習慣病や過度のストレス、睡眠不足といった、日常生活にリスクや原因が潜んでいることもあります。
生活習慣病
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を発症すると、脳卒中のリスクである動脈硬化を起こしやすくなります。動脈硬化は、動脈が固くなり、血管がつまりやすくなった状態を言います。
なかでも、高血圧は最大のリスクです32,33。また、喫煙や過度の飲酒も脳卒中のリスクとして知られています32。
さらに、メタボリックシンドロームは認知症やアルツハイマー病の危険因子になる可能性が示されています。糖尿病患者とうつ病をはじめとした精神疾患の関連も報告されており、生活習慣病は脳にさまざまな悪影響を及ぼすことがわかっています。
過度なストレス
ストレスは、高血圧や糖尿病の原因になるとされています34。脳卒中の原因となる生活習慣病を引き起こす可能性があるため、間接的な原因と言えるでしょう32。
また、うつ病や統合失調症などの精神的な不調の原因にもなります36。
さらに、ストレスを感じると「コルチゾール」と呼ばれるストレスホルモンが分泌され、認知機能に関わる脳の海馬の萎縮を促して認知症のリスクが上がります。
「ストレス」という言葉からネガティブな出来事を連想するかもしれませんが、結婚や進学など、一見嬉しい出来事も、ストレスや心の負担になる可能性があることに注意しましょう40。
睡眠不足
慢性的な睡眠不足の状態は、糖尿病や高血圧などのリスクが高くなり、脳梗塞などの命にかかわる疾患を発症しやすいと明らかになっています38。
また、睡眠不足はうつ病の発症や再発を予想できる症状として注目されているほか、多くの精神疾患で睡眠障害として認められることがあります39。
さらに、認知症の発症と睡眠障害が関連することも示されており、適切な睡眠環境を整えることが大切だとわかります。
遺伝的要因
ハンチントン病など、一部の神経変性疾患は遺伝的要因で発症することが分かっています19。
さらに、統合失調症、うつ病、双極性障害、神経発達症などの原因には遺伝的要因も関わるとされています40。
また、アルツハイマー型認知症の原因遺伝子や、脳梗塞を発症しやすくなる遺伝子変異が存在することが明らかになりました41。
脳の病気が不安な場合の診療科目・受診先
脳の病気が疑われる症状が見られたら、医療機関を受診しましょう。受診すべき診療科の候補をまとめてご紹介します。
|
症状 |
受診先 |
|---|---|
|
激しい頭痛、片側の麻痺、めまい呂律が回らないなど |
救急科、脳神経外科、脳神経内科など |
|
もの忘れ、認知機能低下など |
認知症(もの忘れ)外来、精神神経科、脳神経内科など |
|
2週間以上続く気分の落ち込み、憂うつな気分などのメンタルヘルス不調 |
精神神経科、心療内科、脳神経内科など |
(編集部作成)
脳の病気を予防・健康を守るための対策
脳の病気をはじめとした健康を守るために、まず取り組めるのは生活習慣の改善です。ぜひ職場の健康診断なども活用しましょう。
生活習慣の改善
高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、脳卒中のリスクになります。
減塩をはじめとした食習慣の改善、適度な運動を取り入れて、喫煙やお酒の飲みすぎは避けましょう32。
食塩摂取の目標は、男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。また、日本高血圧学会は、高血圧患者さんは食塩摂取量を1日6g未満にすることを強く推奨しています34。
また、睡眠時間の確保は脳卒中や精神疾患の予防となり、心身にとって重要です39。
- ・食生活の改善
・適度な運動習慣
・質のよい睡眠
・ストレス原因の解消
・禁煙・減煙
・休肝日をつくる
生活習慣の改善は生活習慣病の予防だけでなく、脳の健康維持にも有効です。上記を参考に、取り組みやすいことから始めてみましょう。
健康診断や脳ドックの受診
特定健康診査(特定健診)や勤務先で行われる健康診断は、早期の生活習慣病やメタボリックシンドロームのリスク発見に役立ちます。
生活習慣病やメタボリックシンドロームは、脳梗塞や認知症など、さまざまな脳の病気につながる可能性があるので、定期的に健康診断を受けて体の状態を知っておきましょう。
特定保健指導では、健診結果を踏まえその時点の健康状態に合わせたアドバイスが受けられます42。
また、自覚症状が出にくい脳の病気の早期発見を目的とした「脳ドック」を受けるのもいいでしょう。MRIやMRA、頸部超音波検査などを用いて無症状の脳血管障害や脳腫瘍、認知症などの疾患が発見されることがあります43。
このほか、自分でも試しやすい認知機能検査がありますので試してみましょう。脳の健康状態の変化に早めに気が付くことが大切です。
脳の病気に関するよくある疑問
脳の病気の前兆や疑わしい症状の見分け方は?
突然起こる頭痛、片側の手足の痺れ、言葉のもつれ、めまいが起こった場合、脳卒中が疑われます。発症して時間がたっていなければ、治療で症状が改善できることもあります。速やかに救急車を呼びましょう1。
「ACT-FAST(アクト・ファスト)」という標語を聞いたことがあるでしょうか。
厚生労働省が発表している、すぐに救急車を呼ぶべき症状をまとめた標語です。ぜひ覚えておくようにしましょう。
|
ACT |
救急車を呼ぶ |
|---|---|
|
F:Face(顔) |
顔の片側が下がって動けない、ゆがむ |
|
A:Arm(腕) |
片側の腕に力が入らない |
|
S:Speech(言葉) |
呂律が回らない、言葉が出ない、 他人の言うことが理解できない |
|
T:Time(すぐに) |
すぐに |
(文献45を参考に編集部作成)
また、頭痛や吐き気などは脳腫瘍の症状として起こる可能性があります。朝に症状が強いといった特徴がある場合は注意しましょう2。
脳が萎縮する病気には何がある?
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害の後遺症や、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症などが知られています。
また、明らかにアルコールを飲む量が多い人に脳萎縮が起こると示されています44。
脳が溶けたりスポンジ状になる病気はある?
脳がスポンジ状になる病気は総称して「プリオン病」と呼ばれ、「クロイツフェルト・ヤコブ病」が有名です。ヒトと動物共通の感染症で、現時点で有効な治療法はありません。
急速に進行する認知症、たびたび認められる不随意運動などを症状として、発病から数ヶ月以内で寝たきりになります19。
まとめ:脳の病気の予防は日々の生活習慣から!気になる症状は早めの受診が大切
さまざまな脳の病気をご紹介しました。脳梗塞のように脳血管がダメージを受けて発症する病気のほか、認知症のような神経変性に関わる病気、うつ病のような精神疾患、脳腫瘍など多岐にわたります。
生活習慣と関わる病気も多いため、脳の病気を予防するためにも規則正しい生活習慣を身につけましょう。健康診断や脳ドックも積極的に活用し、脳の健康を守りましょう。


