「親子の介護は難しい!?」認知症介護体験談
母親は80歳で要介護3。54歳で早期退職をして通い介護を続けている、59歳の娘の体験記です。母親と同居している弟夫婦は共に51歳。
母の「わかった!」は半分だけ…
「わかった! 気をつけて帰れよ。ありがとな」
夜、実家から帰る時、ふすまを開けて寝ている母に声をかけるとこの言葉が返ってきます。翌日がデイサービスの時は「枕元の服を着て私が来るまで待っててね」と言い、休みの時は「朝ゆっくりでいいんだから、私が来るまで寝ててね」と言って帰ります。母の「わかった!」という言葉を半分だけ信じて、翌朝8時に実家に行きます。
が、母は部屋に居ません!台所でご飯をよそっています(食べ終えている事もあります)。畑に立っていた事もありました。弟夫婦が仕事に出かけたばかりのはずなのに、なんと素早いのでしょうか!
糖尿病からの認知症、ちゃんと家族でサポートしなさい!と医師の叱責
もの忘れ外来で母が糖尿病からの認知症と診断を受けたのは震災の前年です。同時期、内科医からは「糖尿の数字が悪すぎる!家族が見てあげないとダメですよ!」と叱られました。血糖値を改善する事が認知症の進行を遅らせる事になるので、土・日は弟嫁が、月~金は私が注射、薬、食事の管理をする事にしました。
母は、既に医師からの注意事項も栄養士の栄養指導も覚えられず、血糖値測定もできない状況でしたので、測定で単位を決め注射、食前薬を飲んで、野菜、おかずを先に食べて...という事全てに声かけが必要でした。母に「いちいちうるさい!」と言われましたが仕方がありません。
会員の方からおやつの出し方等を教わりとても助かりました。工夫してきれいに盛りつけたサラダやおかずを出しているのに、ご飯だけを先に食べて、サラダをゴミ箱に捨てられた事がありました。さすがにこの時は「死んでしまえ!」と思いました。悪い娘です!!
サービスを利用するようになっても、家族に疲れが…
1年後、医師から「血糖値がずいぶん良くなってきたよ。この調子で頑張ってね」と言われ、ふと我に返ると私も弟嫁も体調不良になっていました。この先この生活をずっと続けるのはとても苦痛で、母には申し訳ないけどデイサービスに通ってもらいました。
現在は小規模多機能で泊まりも利用しています。ずいぶんと自分の時間が持てるようになり、気持ちにも余裕が出てきましたが送り出す時は地獄です。泊まりの話をすると、いつも「ひとりで居られんのに、じゃまにすんのか? 首つって死んでやっから!」と言われます。先日は更に「苦労して育ててやったのに!」と言われ、私も言い返し大げんかになり、その後自責の念に駆られ、辛かったです。
続けられるまで続けるしかない!
母の「ありがとな」の言葉には救われますが、正直、疲れてきました。いつまで続けられるかわかりませんが、今は続けられるまで続けるしかありません。
「ぽ~れぽ~れ」通巻419号(2015年6月25日発行)