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糖尿病について相談したいとき、何科を受診すべきでしょうか?
更新日:2025-02-19

糖尿病について相談したいとき、何科を受診すべきでしょうか?

糖尿病について相談したいとき、何科を受診すべきでしょうか?

糖尿病について相談したいときにどの診療科を受診すれば良いでしょうか?
本記事では糖尿病の初期症状や受診のタイミングについて解説するとともに、診療科を選ぶ際のポイントを紹介します。

糖尿病に気づいたら「何科」を受診するべきか

糖尿病の診療は主に「内科」や「糖尿病内科」が担当しており、診断から治療方針の決定、継続的な血糖値管理まで幅広い相談が可能です。糖尿病専門医のいる医療機関では、さらに専門的な治療が行われ、糖尿病の状態や合併症の有無によっては複数の診療科が連携して対応することもあります1

内科・糖尿病内科

内科・糖尿病内科は、糖尿病の診療において血糖値の管理や投薬治療、生活習慣の改善指導など、包括的な治療が可能です。糖尿病を疑う自覚症状がある場合や、健康診断などで指摘された場合は受診をお勧めします。

眼科

糖尿病三大合併症の1つである糖尿病性網膜症の早期発見のため、定期的な眼科受診が重要です。糖尿病と診断された場合は、視力低下などの自覚症状の有無にかかわらず、最低年に1回の眼底検査を受けることが推奨されています2
定期的な眼科受診によって糖尿病網膜症の進行による視力低下や失明を防ぐことにつながります。

腎臓内科

糖尿病性腎症が進行した場合や、糖尿病性腎症以外の鑑別が必要な場合は腎臓内科を受診します。若年で腎機能低や検尿で異常を認める場合は受診が望ましいです。

皮膚科、整形外科

足に傷ができ細菌感染が生じる糖尿病性足病変が生じた場合は、早期に皮膚科、整形外科での治療が必要です。
早期に真菌薬や抗菌薬を使用して治療を行い、傷や潰瘍のある部位には体重をかけないよう安静にします。感染がひどい場合はデブリドマン(壊死組織を削り取る処置)を行います3,4。普段の血糖が悪く、感染を放置したり、足の血流が悪かったりすると、切断に至る場合があります。

糖尿病の初期症状と受診のタイミング

身体に異変を感じたら早めに医療機関を受診することで、症状の悪化や合併症の予防につながります。普段の生活で気になることがあったり、健康診断などで異常があったりしたら受診のサインだと考えておきましょう。

糖尿病の初期症状は?

糖尿病の初期段階では明確な自覚症状がほとんどありません。血糖値が著しく上昇すると、口渇感、多飲、多尿、全身倦怠感などの症状が現れます。
自覚症状の有無にかかわらず、定期的な健康診断を受けて早期発見、治療につなげることで、糖尿病の重症合併症を予防することが可能です5

受診のタイミングは?

健康診断で高血糖や尿糖を認めた場合に、受診が推奨されます6。糖尿病が疑われる症状がある場合も、早めに受診しましょう。

症状が軽くても早めの受診を心がけたい理由

症状が現れたときにはすでに合併症が進んでいるケースもあります。糖尿病だと気づかずにそのまま放っておくと高血糖症状が続き、糖尿病合併症の発症リスク要因となります。

糖尿病の完治は難しいですが、初期の段階で適切な治療を行うことで薬を飲まなくても日常生活を送ることができる寛解状態になれる可能性があります。

生活習慣に対する介入が寛解状態に導く重要なカギとなるため、具体的に以下のような食事と運動習慣の改善が推奨されています7, 8

糖尿病の種類

食事

運動

1型糖尿病

・血糖コントロールのために食事療法が推奨される

・インスリン療法との連携が重要で、血糖値を適切に維持するためのバランスの取れた食事を心がける

・血糖コントロールに運動療法が有効かどうかについては、一定の見解が得られていない

2型糖尿病

・血糖コントロールのために食事療法が推奨される

・エネルギー摂取量の制限:体重・肥満がある場合、摂取エネルギーの適切な制限が必要

・食物繊維の積極的摂取:食後血糖値の急上昇を抑える効果がある食品(野菜、豆類、全粒穀物など)を積極的に取り入れる

・血糖コントロールに有酸素運動とレジスタンス運動(筋力トレーニング)が推奨される

・継続的な運動がインスリン抵抗性を改善させ、血糖コントロールに有効

(文献7、8を元に作成)

まとめ|糖尿病について相談したいとき、何科を受診すべきでしょうか?

糖尿病の診療は内科・糖尿病内科を中心に行いますが、合併症の有無の確認に眼科を最低年1回は受診をしましょう。その他、糖尿病の状態や合併症の有無によっては複数の診療科が連携して対応することもあります。症状がなくても定期的な健康診断を受け、異常が見つかった場合は早めに医療機関を受診しましょう。

(参考文献)
1, 厚生労働省:糖尿病の医療体制について.
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001094023.pdf](最終閲覧日:2025年1月14日)
2, 日本糖尿病学会:8章 糖尿病網膜症. 糖尿病診療ガイドライン2024. 南江堂. 2024. p169-87.
3, 国立国際医療研究センター糖尿病情報センター. 「糖尿病足病変」
https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/060/040/01.html](最終閲覧日:2025年1月20日)
4, 日本糖尿病学会:11章 糖尿病性足病変. 糖尿病診療ガイドライン2024. 南江堂. 2024. p221-42. 
5, 国立国際医療研究センター糖尿病情報センター:糖尿病は早く見つけましょう.
https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/030/010/01.html](最終閲覧日:2025年1月15日)
6, 日本糖尿病学会:1章 糖尿病診断の指針. 糖尿病診療ガイドライン2024. 南江堂. 2024. p5-7.
7, 日本糖尿病学会:3章 食事療法. 糖尿病診療ガイドライン2024. 南江堂. 2024. p37-66.
8, 日本糖尿病学会:4章 運動療法. 糖尿病診療ガイドライン2024. 南江堂. 2024. p67-83.

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