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認知症の入浴の拒否の対応法
更新日:2021/12/08

認知症の入浴の拒否の対応法

認知症の入浴の拒否の対応法

入浴を拒否する理由としては、

  • 裸になるのが不安
  • 何をするのも億劫
  • 脱いだ服を盗まれるのではないかと気になる、誰かに見られていると思う
  • 身体障害のために入浴動作そのものができない
  • 入浴するということ自体が理解できない
  • 浴室に幻視が現れる(レビー小体型認知症)

などがあります。

若い方のように毎日入浴する必要がない場合もありえますが、それでも週に2度程度は入っていただきたいものです。
入浴の拒否が続くと不潔になり、皮膚病や感染症などの原因になります。

対応法

手を変え品を変え、勧めてみましょう

気分のよい時をみはからって、入浴を誘ってみましょう。
「温泉に入りましょう」「一緒に入りましょう」「○○がありますのでお風呂に入っておきましょう」「お風呂が沸きました。一番風呂ですよ」など誘い方を工夫します。散歩の後で「汗をかいているからお湯をかぶるだけでも」と勧めてみると、あっさり承知することもあります。違う人に「久しぶりに背中でも流しますよ」と勧めてもらうのもよいでしょう。「病気になったら悲しいから・・・」とお孫さんなどに話してもらうと、入ってくれることもあります。
また、「父の日(母の日)なので感謝の気持ちを込めて背中を流したい」と言うと応じてくれる例もあります。

洗面器と固形石けんと手ぬぐいと

昔、銭湯を利用していた方には洗面器と固形せっけんと手ぬぐい(タオル)をセットにして渡すと、進んで入浴してご自分で体も洗うことがあります。

断られたらあっさり引き下がって、しばらくしてまた誘いましょう

入浴を断られたらあっさり引き下がって、しばらくしてまた誘うと、今度は案外入る気になることがあります。

介助するご家族も一緒に裸になって

ご家族が体を洗って介助してあげる場合、ご本人だけが裸だと、気恥ずかしく思って嫌がることがあります。こんな場合は、介助するご家族も一緒に服を脱ぐと安心して入ってもらえます。

楽しい入浴に

入浴剤を入れて温泉気分にしたり、入浴後にビールやコーヒー牛乳を飲むなど楽しみを用意してはいかがでしょうか。楽しかった、という感情の記憶は残りますので、次も入ってもらいやすくなります。

「入浴する」ということが理解できない方には

入浴するということが理解できない方には、あえて何も告げずに風呂場に誘導するとうまくいく場合があります。

はじめは足浴からでも

いきなり入浴が無理な場合は足浴から始めることをお勧めします。「気持ちいい」を実感していただくことで、全身浴につなぐことができそうです。

いったん入ってしまうと

入浴前には強く抵抗した方でもいったん入ってしまうと、入浴後に「気持ちがよかった」と言うことが多いようです。今度はお風呂から出るのを拒否することもあります。
このような場合は、ご家族もお風呂に入って「一緒にあがりましょうか」と言ったり、「ご飯ですよ」などと気をひくような言葉をかけましょう。
最終的にはお風呂の栓を抜いてお湯を空にして浴槽から出るよう促すことになりますが、せっかくの入浴ですから体に悪くない程度ならゆっくり楽しんでいただきたいものです。

どうしても家では入浴できない場合は無理をしない

どうしても家では入浴できない場合は、無理をしないでデイサービスの入浴サービスや訪問入浴サービスなどを利用しましょう。

身体の動きが悪くて入りにくい場合は

浴槽の高さと同じ椅子(台)をぴったり浴槽の横につけると、座りながらなかに入ることができます。詳しくは理学療法士、作業療法士などにお尋ねください。
ただし転倒の危険もありますので、くれぐれも滑らないよう気をつけて、無理はしないようにしてください。

幻視が現れる場合は(レビー小体型認知症)

浴室に幻が見える場合は、無理に勧めず幻が消えるのを待ちましょう。入浴は明るい昼間の方がよいかもしれません。
壁や床の模様が気になる場合は、消せるものは消してください。