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認知症介護家族の悩み相談|認知症の人と家族の会の会報「ぽ~れぽ~れ」より
「妻がアルツハイマー病の初期と診断された」「夫が若年性アルツハイマー病に」「レビー小体型認知症と診断された母」など

認知症介護家族の悩み相談|認知症の人と家族の会の会報「ぽ~れぽ~れ」より

認知症介護家族の悩み1「妻がアルツハイマー病の初期と診断された」

家族の悩み

70歳の妻にもの忘れが目立ち、ふさぎ込むようになり、受診したところ、初期のアルツハイマー病の診断を受けました。驚いたり、「そんなはずがない」と否定したり、私自身も混乱しています。これからどうしたらいいでしょう。

(夫:70代)

介護経験者の回答|指示や禁止は本人を苦しめます

私は夫がアルツハイマー病とは知らずに「さっきも言ったでしょう」とよくとがめていました。診断後も良かれと「こうしなさい」「それはダメ」などと指示や禁止ばかりしていました。悲しげな夫の表情の意味が、認知症介護を勉強してわかりました。

医者の回答|認知症の人の不安、苛立ち、哀しみを知り…

できていたことができなくなっていく自分を感じつつ、どうすることもできない苛立ち、不安と哀しみに苛まれています。 落ち着かなくなったら、おさえこもうとするのではなく、穏やかに話しかけ、触れながら安心させるのが大事です。アルツハイマー病は、進行するにつれていろいろな症状が出てきます。認知症という病気と本人の気持ちを理解して接することがとても大切です。

ケアマネジャーの回答|孤立しないで!相談できる仲間づくりを

男性介護者は地域社会となじみが薄く、一生懸命介護に打ち込み、その結果一人で抱え込み孤立しがちで、いい結果につながりません。地域包括支援センターやケアマネジャーに介護保険サービスや地域の資源利用について相談してみてください。また、お近くのオレンジカフェや男性介護者の会などについても聞いてください。初期のうちから、相談しあえる仲間を作ることが大切です。また、あなた自身のための時間を作り、気持ちに余裕を持てるようにしましょう。

看護師の回答|本人の役割や一緒に楽しめることを見つけましょう

診断を受けたからといって急に何もできなくなるわけではありません。できることがまだまだたくさんあります。少し手助けしながら、洗濯や掃除など続けてもらうことはとても大切です。また、散歩など軽い運動や庭いじりなど一緒に楽しむことを習慣にして、お二人の健康のためにも役立ててください。

介護経験者の回答|男性介護者のつらさを知りました

初期では生活が一変し戸惑う日々が続きます。いろいろな本(※)を読んで参考にしながら介護しました。第一に家事です。炊事は未知の大変な仕事です。本人の好きなもの、食べやすい食事を作ることにしました。また、女性の下着売り場への抵抗は慣れるまで数年を要しました。今では「心配しなくてもなるようになる」と悟っています。

認知症介護家族の悩み2「夫が若年性アルツハイマー病に」

家族の悩み

夫は40代後半、高校生の長男と中学生の長女との4人家族です。夫はぼんやりしていることが最近目立ち、少し変だとは感じておりました。会社から、ミスが多くなり取引先とのトラブルも増えたので病院へ行くように言われ、若年性アルツハイマー病と診断されました。現在休職中ですが、これからどのように生計を立てていけばよいのか、とても不安です。

(専業主婦:40代)

介護家族の回答|あなたの不安がよくわかります。経済支援制度を教えてもらい楽に

私もショックで途方にくれました。夫は退職しましたので、私がパート勤務を始めました。受診した病院のソーシャルワーカーが、経済的な支援制度などのアドバイスを丁寧にしてくれました。子どもの授業料減額や奨学金の手続きを行い、精神障害者保健福祉手帳や自立支援医療の手続きをし、医療や税の負担軽減ができました。在職中で傷病手当金や障害年金の申請中です。まだ、その他にも住宅ローンや生命保険などでの支援制度もあると聞いて少し安心しています。

病院ソーシャルワーカーの回答|現在の職場で働き続けられないか、相談しましょう

ご主人は休職中との事ですが、病気を考慮した部署で働けないか、思いきって会社に相談してみましょう。勤務していた会社や同僚の理解を得て働き続けている仲間も多くなっていますよ。 また、東京都、京都府、兵庫県、認知症介護・研究研修大府センターなどでは、若年性認知症支援ガイドブックを作成し、ホームページで公開していますので参考にされてはいかがでしょう。

本人Aさんの回答|告知を受け、早期退職しました

私は2年前、若年性認知症と診断され、会社に迷惑をかけられないと自分から退職しましたが、今は少し後悔しています。同年代が活躍しているのに、自分だけがと思うと情けなくて、くやしくて家族に八つ当たりした時期もありました。そんな時、「家族の会」に入会し、同じ立場の仲間もでき、気持ちが楽になりました。

看護師の回答|若年性認知症専門の相談機関も利用

制度利用の手続きなどわかりにくいことも多いです。市町村などで認知症地域支援推進員が配置されていればいいですが、窓口で対応が十分でないこともあります。若年性認知症で相談したい時は次のような相談窓口があり、悩みや心配ごとについて、相談員が対応してくれます。公益社団法人 認知症の人と家族の会(☎0120-294-456/月~金10時~15時)、若年性認知症コールセンター(☎0800-100-2707/月~土10時~15時)、若年性認知症サポートセンター(☎03-5919-4186)などがあります。

本人Bさんの回答|仲間に出会え、力を得ました

近くで開催されている「家族の会」の本人のつどいに初めて参加した時の感動は忘れません。「自分だけがなぜ」と思っていましたが、一人ではないとわかり安堵しました。また昨年には、本人が中心になった「日本認知症ワーキンググループ」が設立され、要望を発表され、私たちの思いが代弁されました。
私も最近、近所にできた認知症カフェに行き始め、喫茶の手伝いをするようになり楽しみにしています。あきらめず、孤立せず、上手に制度が利用できればいいなと思っています。

認知症介護家族の悩み3「レビー小体型認知症と診断された母」

家族の悩み

同居している実母(76歳)は、神経内科の医師からレビー小体型認知症の診断を受けました。もの忘れはひどくないのですが、「窓際のカーテンのところに女の子がいる」「壁に黒い虫がたくさんいる」と夜中に私を起こします。食事の時には、「虫が入っている」と食べようとせず、いつも飲んでいる薬なのに「毒が入っている」と拒否することもあり困っています。

(娘:60代)

看護師の回答|あなたには見えなくても、お母様には見えています

見えないものが見える幻視は、レビー小体型認知症の初期に起こる症状の一つです。寝ている時であれば、電気をつけて部屋を明るくし「いなくなったね」と声をかけるとか、柄のない食器に入れ替えることで見えなくなることもあります。また、薬を拒否する時があることも主治医に伝えましょう。

介護施設職員の回答|環境を変えてみましょう

お母さんの不安が強くなければ「姿が見えていても悪さはしないから大丈夫」と繰り返し説明することで安心されると思います。壁の飾り物やカーテンの模様が人や虫に見えることがあります。思いきって部屋の模様替えをしてみるのもいいかもしれません。

医師の回答|記録によって本人のリズム(日内変動)もわかり治療に役立つ

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症に次いで発症率の高い認知症ですが、幻視等の症状のために介護が難しい場合があります。受診された時に、いつ、どのような場面で…など、状況を具体的に主治医に伝えられるよう記録して持参すると治療に役立つと思います。

介護経験者の回答|介護者があわてないで冷静になりましょう

この認知症は色々な症状があらわれ、ご苦労されていらっしゃることでしょう。幻視の敵を追い払うために攻撃的になったり、いないはずの孫がいるなどと言うこともありました。否定してはいけないとわかっていても腹が立ち、声を荒げたことが何度もありました。症状として理解でき、冷静に対応できるようになるまでしんどい思いをしましたが、病気について勉強し、覚悟を決めて付き合うことで楽になりました。この病気は、ふるえなどの症状で転びやすいので、怪我をさせないように注意してくださいね。

ケアマネジャーの回答|多くの情報こそ介護のコツ

世間では、もの忘れが認知症の症状だと思っておられる方はまだまだ多いと思いますが、この病気は違います。「レビー小体型認知症家族を支える会」、本(※)やホームページにも対応の方法や介護のコツについての情報があります。サービスを利用する場合には、介護スタッフにもレビー小体型認知症について理解をしてもらうことが大切です。

認知症介護家族の悩み4「受診を聞き入れてくれない」

家族の悩み

70歳の妻は、ボランティア仲間から時間や場所を間違えていると電話がかかることが多くなり、家の中でも同じことを何度も言うなど気になることもあります。専門医に診てもらおうと言っても本人に自覚がなく、どうしても聞き入れません。どうすればよいでしょうか。

(夫:70代)

男性介護者の回答|「健診に一緒に行こう」と誘いました

妻が落ち着いている時に、「65歳以上の高齢者健康診断に一緒に行こう、脳こうそくや小さな脳出血が隠れているかもしれないから」と誘い、うまくいきました。

女性介護者の回答|おかしいから医者に診てもらおうと言ってしまったことで…

夫のもの忘れが始まった時に、「おかしいから医者に一度診てもらおう」と言ってしまったために、その後もずっと受診を嫌がり苦労しました。結果的にプライドを傷つけることになったと反省しています。

医者の回答|初めから専門医受診はハードルが高いかも

専門医に診てもらうことは大切ですが、奥様が信頼しておられるかかりつけ医にまず相談されたらいかがでしょうか?本人が嫌がるようなら、その時、「心配な症状」「変化の様子と時期」「既往症」などを書いて持参されたら、医師としては参考になります。かかりつけ医から専門医療機関に紹介してもらいましょう。

ケアマネジャーの回答|お子様から勧めてもらったら…

奥様は、今までしっかりしてこられた方だけに、認知症と言われたらどうしようと不安も大きいのかもしれません。○○市から大正、昭和生まれの方を対象に検査を受けるように言ってきたのでとお誘いしてうまくいったこともあります。また、家族の皆さんの理解も大切です。お子様から勧めてもらわれたらどうでしょうか。

看護師の回答|本人は不安を感じている

認知症の人が「自分は普通だと思い身に覚えがない」のに、もの忘れがひどいと指摘され病院に行こうと言われ、理由が分からず驚き反発します。しかし、そこはかとない不安は感じているので、まず、本人の不安な気持ちに寄り添い、理解することから始めたほうがよいと思います。

世話人の回答|受診は無理強いせず

早期認知症の受診拒否はたくさんの介護者の方が経験される悩みです。無理に勧めては問題がこじれてしまいます。受診を嫌がられるのであれば、あまり無理強いしないで、心を許しあった親しいボランティア仲間に奥様の状況を話され、支えてもらいながら、しばらく様子を見られたらいかがでしょうか。どうしても困った時は、地域包括支援センターに相談されることをお勧めします。場合によっては、往診医を利用することも可能でしょう。

認知症介護家族の悩み5「ショートステイに関する悩み」

家族の悩み

自宅で仕事をしながら85歳の母(要介護3)を介護しています。家では8時ごろに晩御飯を食べ、家族と一緒に過ごし、11時頃に睡眠薬を飲ませると、朝6時頃までよく寝てくれます。でも、ショートステイでは夜中に大声で私を探して呼ぶそうです。他の人が起きてしまうので、専門医を受診し薬の調整をしてほしいと言われています。家では眠れているので、薬を増やしたくありません。

(娘:60代)

ケアマネジャーの回答|服薬時刻の調整を相談してみましょう

家とは違う環境に不安を感じ、夜になるとあなたを探すのは仕方のないことです。施設では6時頃に夕食、9時頃までには就寝が一般的ですが、睡眠薬を飲む時間を通常より遅くしてもらう等、施設相談員と相談してみましょう。

介護家族の回答|混乱を少なく、安心感を!

私の母は、いつも家で使っている枕や布団を持ち込んだら安心して眠れていました。また、お母様の在宅での生活習慣を、ショートステイの時間帯に近づけるように努力をしてみませんか。仕事をしながらで大変ですが、混乱が少なくなると考えられます。

看護師の回答|折り合いをつけることも必要ではないでしょうか

追加で服用できる安定剤や睡眠薬を、「頓服薬」として持参される方もおられます。主治医に、ショートステイの利用中だけ服用する薬を相談されてはいかがでしょう。また、家とは生活が変わり、便秘になる等、体調の変化から寝にくくなることもあります。施設の看護婦に体調にも変わりはないか様子を見てもらいましょう。

医師の回答|「環境が変われば眠れない」ということは、誰にでもあることです

睡眠薬・安定剤・漢方薬などなど、いろいろな選択肢があります。お母様の心身の状態が悪化するのではとの心配もあるかと思いますが、状態の悪化のリスクを最小限にし、不安感を軽減できる薬を調整してもらうように専門医(主治医)に相談されることをおすすめします。

世話人の回答|施設を変更してみましょう

私の母の場合も同じでした。思い切ってそれまでの短期入所の施設から小規模多機能型居宅介護施設に変更してみました。家での生活に近い過ごし方を工夫してもらい、母も徐々に慣れて安心して過ごせるようになり、夜間も眠れるようになりました。

看護師の回答|きちんと睡眠をとることも大事

お母様が施設で眠れていないことは、ご自身にとっても辛いことです。一時的に薬を使うことになりますが、きちんと睡眠をとり身体を休ませてあげることも大事です。

認知症介護家族の悩み6「実母の介護を兄妹で協力したい」

家族の悩み

父と二人で暮らしている母(70代後半)はもの忘れがあり、同じことを繰り返すようになり、半年前にかかりつけ医から「軽い認知症」と言われました。父(80代)は最近疲れきっています。実家近くに住む私は、様子をみに毎日通っていますが、上の兄は、私が「かまい過ぎ」と言い、遠くに住む下の兄夫婦は泊まり込んでみたが「何ともなかった」と言い張ります。兄妹の葛藤を解き、協力しうまく介護するには、どうすればよいでしょうか。

(娘:40代)

医者の回答|認知症の理解が違っています。早く理解し合いましょう

毎日通っておられるあなたも体調の悪いお父様も大変ですね。お兄様方はお母様の認知症が理解できてないようで、それによって温度差が生じます。軽度の認知症は、もの忘れはあるが生活に支障はありません。しかし、何かがおかしく、不安を感じています。お兄様方はひとり歩きや妄想を認知症と思っておられるのではありませんか。お兄様方も一緒にかかりつけ医の説明を受けて、病気の理解を深めてもらってください。

ケアマネジャーの回答|お母さまの不安な気持ちをまず理解して

一番不安を感じているのはお母様です。これまでと違う自分に戸惑い不安で自信がなく、何回も尋ねて確認しておられるのです。私も母の怯えたような不安な表情と目を思い出し、今でも胸が痛みます。まず、お母様の不安を理解して話を聴いてあげてください。認知症の進行を防止するために、介護予防推進センターや老人福祉センターなどで開催されている運動や脳トレ教室などで人とのつながりを応援してみてはどうでしょうか。

介護経験者の回答|軽度認知症の理解とともに十分な情報交換や役割分担を

兄妹で介護を続けるには、これから情報交換をまめにしたほうが良いですね。 また3人の分担については、十分話し合い納得して決め、お兄様達には、介護費用の負担や、定期的に泊まってもらうなど分担をきちんと決めるのが良いと思います。

介護経験者の回答|お父様のサポートも大事です

お母様に毎日接している高齢のお父様のサポートも大事だと思います。お母様の介護は主にあなたが担うとして、お父様のサポートを男同士のお兄様に分担してもらったらどうでしょうか。お父様に余裕ができれば、お母様の状態にも良い影響があると思います。

介護中の世話人の回答|兄弟の協力はあきらめる

あなたが一人で介護され、大変ですね。私も兄が認知症に理解がなく悩みましたが、結局説得を諦め、自分が介護すると決めてストレスが少なくなりました。「家族の会」で出会った、介護経験者の方のお話や、専門家の方々のアドバイスで何度助けられたか解りません。

認知症介護家族の悩み7「介護拒否、薬を飲んでくれない」

家族の悩み

私は農業をしながら80代後半の母の介護をしています。母は認知症で要介護3です。介護拒否があり、特に薬を飲むことを嫌がります。

食べ物に混ぜても、薬に気付くと吐き出してしまいます。心不全をはじめ、複数の病気があり、飲まなければいけない薬がたくさんあります。なんとかいい方法はないでしょうか?

(同居の息子:60代)

世話人の回答|お母さんと一緒に薬をのんでみましょう

お母さんが薬を飲まれる時、あなたもビタミン剤やラムネ菓子など、お母さんの薬とよく似た物を一緒に飲んでみましょう。私の母はそれで嫌がらずに飲むようになりました。

医師の回答|副作用が出ている可能性もあります

飲んでいる薬の中には今必ず服用をしなくてもよい薬があるかもしれません。日頃の服薬の状況をかかりつけ医に伝えて本人にも介護者にも負担が少なくなるように相談してみてください。また、薬を飲むと気分が悪くなる等、副作用があるのかもしれません。そのまま無理やり飲ませ続けようとせず、かかりつけ医に報告しましょう。

看護師の回答|飲みやすい方法を工夫してみましょう

うまく飲み込めなかったり、苦味が強い薬なのかもしれません。甘みのあるものや味の濃いもので薬を覆うようにしてみると飲めるかもしれません。薬によっては顆粒、液状、貼り薬、軟膏などに換えることも考えられます。

ケアマネジャーの回答|専門職に頼んでみては?

あまり一人で頑張りすぎないで、ヘルパーさんや訪問看護、デイサービスなどの専門職にお願いしてみてはいかがでしょうか? 時間をずらしてサービス利用中に服用してもよいか、医師や薬剤師にも相談しましょう。
また服薬以外にも介護拒否をされるとのことですが、身の回りのことなどは男性である息子さんより、同性の女性からの介護の方がスムーズに受け入れていただけることもあります。

介護経験者の回答|相手のペースに合わせることも大切

農業をしながらお母さまの介護をなさっているのはとても大変ですね。段取りどおりにいかないとイライラする気持ちもよくわかります。でも、余裕がない状態で焦ると介護される側にも伝わってうまくいかないものです。私の場合は「この時間に食事、入浴」というように型にはめず、相手のペースに合わせたら、自分も楽になり介護もしやすくなりました。

薬剤師の回答|月に4回まで居宅を訪問することができます

医師の指示があれば、薬剤師が居宅を訪問し、薬学的な管理指導を行う居宅療養管理指導が介護保険で利用できます。薬の管理、薬の飲み方、飲み忘れの確認、副作用の有無など薬に関するいろんなことを支援させていただきます。

認知症介護家族の悩み8「一人暮らしになった認知症の父」

家族の悩み

要介護1だったアルツハイマーの父(80代後半)と母(80代後半)は二人暮らしをしていましたが、父が嫌がるためサービスも使わず、母が一人で介護をしていました。要介護の更新の手続きも行っていません。3日前、母の言ったことが気に障ったのか父が母を突き飛ばし、母は大腿骨を骨折し、手術となりました。私は近隣に住んでいますが、サラリーマンのため長期の休暇は取れず父の介護をどうしたらよいか、悩んでいます。

(息子:50代)

介護家族の回答|周囲に協力を頼みましょう

突然に介護の問題が降りかかって戸惑っておられることでしょう。一人で抱え込まずに、まずご兄弟やご親族等に相談しましょう。

包括支援センター職員の回答|介護保険要介護認定申請の手続きを

なんとか工夫して、サービスの利用につなぐことが必要だと思います。大至急で要介護認定申請の手続きをしましょう。認定の更新ができていないので、一から申請しなおす必要があります。地域包括支援センターでケアマネジャー選任のお手伝いもします。ケアマネジャーが決まれば申請の手続きも代行してくれます。緊急の場合には申請した日からサービスを利用することができるので、早急にヘルパー派遣、デイサービスや小規模多機能型居宅介護の利用、あるいは、グループホーム、老健施設等への入所を考える必要があるかもしれません。

世話人の回答|お父さんの現状を知ることが大切です

介護休業(注1)がとりやすい職場であればいいのですが、現実的にはなかなか難しいかもしれません。仕事をしながらでは大変かもしれませんが、一時的にでも一緒に住んでみることはできないでしょうか。お父さんは今何ができて、何ができないのか、支援があれば一人で暮らすことができるのか、状態を把握しましょう。

医師の回答|暴力行為があった時は認知症専門医への受診が必要です

すぐにかかりつけ医の先生に相談し必要なら専門医につなげてもらってください。暴力的な行為等、混乱が強くなっている場合には、お父様自身もけがをする可能性があります。

世話人の回答|お母さんの今後についても考えておきましょう

お母さんも高齢なので、退院しても、お父さんの介護は困難かもしれません。お二人の介護をしなくてはならない状況も予測されます。いろいろと不安はあると思いますが、周囲に協力を求めたり、サービス、制度を積極的に利用して介護をしながら仕事を続けられるようにしてください。お近くに「男性介護者のつどい」があれば参加をお勧めします。また「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」(ホームページ「男性介護ネット」で検索)という団体も全国的に活動し、さまざまな情報を提供しています。

認知症介護家族の悩み9「夫が運転をしてくれないと生活できない」

家族の悩み

夫は80代前半、アルツハイマー型認知症で要介護1です。子どもたちは独立し、二人で住んでいます。買い物や医者へ行くにも車がないと不便な田舎です。最近、駐車した場所がわからなくなったり、道に迷ったりすることがあり、運転をしたがらなくなりました。息子たちは心配していますし、医師からは運転はやめるよう言われていますが、私は足が悪く、夫の運転がないとどこへ行くにも不自由です。どうしたらいいでしょう。

(妻:70代)

医師の回答|認知症の診断を受けた人は運転できないことになりました

道路交通法では75歳以上の高齢者が免許更新時の検査で認知症の疑いがあると判断された場合は、医師の診断をうけなければなりません。

介護経験者の回答|運転免許証の自主返納制度の活用を

私の夫も運転ができなくなり、免許証を返納して「運転経歴証明書」をもらいました。これを提示して、路線バスやタクシーの減免などの「免許返納時の特典」を利用しています。車のない生活に不安はありましたが、この特典で車以外の手段が使い易くなりました。特典については、自治体により異なりますので、お住まいの地域を管轄する市役所や警察署に問い合わせてみると良いですよ。

ケアマネジャーの回答|被害者の立場になったことを想像して決断を

奥様も不便でしょうが、被害者の立場で考えて決断しませんか?事故を起こしてしまった時に、認知症と診断されている場合は、自動車保健(任意保険)の約款にある「免責事項」により、保険金が支払われない可能性もあります。

世話人の回答|病状は進行します。今が決断のときです

不便を感じるでしょうが、ご主人も運転に不安を感じているようですし、いつまでも運転が出来るわけでもありません。今がその時と考え、車を手放すことを奥様自身が決める時期だと思います。息子さんの心配も踏まえて家族で話し合ってみませんか。買い物などは息子さんやご近所の方に協力してもらえるか相談してみてはいかがですか。

地域包括の回答|奥様自身もサービスを利用しましょう

田舎では本当に交通が不便ですよね。地域により違いますが、NPO法人等の移送サービスや介護タクシーもあります。生活面では、生協等の宅配や移動販売車の利用、NPO法人の買い物サービスもあります。具体的な提案をさせていただきますので、地域包括支援センターにご相談ください。また、ヘルパーさんに買い物を頼むとか、交通の不便な地域ではデイサービス中に買い物に連れて行ってくれる事業所もあります。奥様も介護保険を申請してサービスを利用してはいかがでしょうか?

認知症介護家族の悩み10「かかりつけ医との関わり方」

家族の悩み

一緒に住む父(80代後半)が何度も同じことを尋ねてくることがあり、認知症ではないかとかかりつけ医に伝えましたが「年のせい、親をボケ扱いにしてはいけない」と言われ検査もしてくれません。父もそう言われたことを信じきっており、もの忘れを指摘すると怒り出し、専門医を受診することができません。親の代から家族全員がお世話になっているため、病院を変えるのもためらいがあります。どうしたらいいでしょうか。

(娘:40代)

介護経験者の回答|他の専門医に診てもらいましょう

どんな病気も早期発見・早期治療が大切です。かかりつけ医のことは気にせず、認知症専門医を受診した方がよいでしょう。遠慮は無用です。でも、かかりつけ医の言葉を信じきっているお父さんを受診させるためには、健康診断と説明したり、あなたの受診に付き合うという形にしたり工夫が必要でしょう。

世話人の回答|かかりつけ医の理解と協力を得る

うちの母の場合も、家族以外の人の前、特に診察の時には、いつも通り以上にちゃんとしているので、かかりつけ医には全く気付いてもらえませんでした。「家族がつくった認知症早期発見のめやす」をもとに、気にかかっている具体的状態をメモに書いて持参し、きちんと伝えた結果、専門医受診に関してかかりつけ医の協力が得られました。

介護家族の回答|専門医に受診したかったので、かかりつけ医に懇願しました

父が仕事の段取りが悪く、運転もスローになり、認知症ではと思い、専門医への受診の予約をしました。その際にかかりつけ医からの紹介状が必要と言われ、お願いしましたら「認知症ではない。年齢的にそんなもの」と叱られましたが、どうしても受診したく、懇願して書いていただきました。結果は脳の萎縮があり、アルツハイマー病の診断でした。

ケアマネジャーの回答|かかりつけ医と専門医の使い分けを

お父さんも何かおかしいと自分で思っておられたのが、医師に「年のせい」と言われ、ほっとされているのでは。世話人さんが紹介された「めやす」でチェックして、早い受診が必要か、様子を見てよいかの目安にされてはいかがでしょう。ずっと診てくださっているかかりつけ医は大事です。専門医との使い分けをみなさんの意見も参考にして、家族と相談してください。

認知症介護家族の悩み11「母との同居継続」

家族の悩み

80代前半の母(アルツハイマー要介護1)は、5年前に父が亡くなってから一人暮らしでしたが、もの忘れや火の不始末が始まり、1年前私たち夫婦が実家に戻って同居しました。最近、母の物盗られ妄想が激しくなり、「財布を盗られた」「この家を乗っ取られる!」と夫を疑っています。私は夫に対して気遣いもあり、別居しようか、母をどこかへ預けようか等考えています。

(長女:50代)

介護家族の回答|もう少し様子をみませんか、いつまでも続きません

大変ですね。私も姑の物盗られ妄想、被害妄想、幻覚などで苦労しました。別居とか、すぐに施設へと結び付けずに、もう少し様子をみてみましょう。必ず状況は変わります。

世話人の回答|ご主人の気持ちを確かめて

ご主人が同居を理解してくれたことは有難いですね。現在ご主人がどう考えておられるのか話し合ってみてはいかがでしょう。また、ご主人もつどいに一緒に参加し、経験者の体験を聞かれることをお勧めします。

ケアマネジャーの回答|思いきって一人暮らしに戻しては

要介護1では特養の入所は出来ないので、入所ならグループホームやサービス付き高齢者向け住宅等になると思います。あなたとご主人の生活を大切にするために、お母さんが元通り一人暮らしを続ける方法を考えては…。泊まりやデイ、訪問などのサービスをひとつの事業所で提供してくれる小規模多機能型居宅介護が認知症の人の暮らしを守るのに有効です。お住まいの地域にあるかどうかケアマネさんに相談してみてください。電磁調理器具や通報システムの利用もいかがでしょうか?

介護経験者の回答|サービス利用でストレスを少なく

お二人の間におられ、辛いですね。お母さんと離れて過ごす時間を作れるように、ご主人も一緒にケアマネさんと介護保険サービスの利用を考えるのがよいと思います。

医者の回答|症状は不安な気持ちの表れ

不安な気持ちが症状として表れていると考えられます。妄想は向精神薬で良い効果が得られることも多いので、かかりつけ医に相談してみましょう。また、認知症の症状として理解すると介護する人の気持ちが楽になることもあります。

看護師の回答|頼りにしている人に対して症状は強くでる

「家族の会」副代表の杉山孝博医師は「症状の出現強度に関する法則」(「家族の会」ホームページ:認知症をよく理解するための9大法則・1原則)として、「認知症の症状はより身近で本人が頼っている人に強くでる」と説明しています。一緒に探すと安心することも多いです。置き場所を忘れる事が物盗られ妄想につながりやすいので、置き場所の工夫もしてみましょう。

介護職員の回答|お母さんにも役割を

同居された事で、お母さんの役割や居場所がなくなっていませんか?見守りや声かけがあればまだできることがたくさんあると思います。お母さんの持っている力に合わせて、出来そうな家事を頼み、感謝を表す場面を作ってみてはいかがですか?

認知症介護家族の悩み12「施設への要望の伝え方」

家族の悩み

私の父(80代)はアルツハイマー型認知症で、要介護4です。2ヵ月前から、近くの特養に入所しました。しかし、母や私が訪ねると父はいつも車いすに座っています。職員の方も忙しそうで、父の様子や歩行訓練などのお願いもできずに帰ってきます。施設への要望はどう伝えたらいいのでしょうか。

(娘:40代)

介護経験者の回答|家族は要望を伝えにくい

私もそうでした。行くたびに気になることがあったのですが、言うことができずに今でも後悔しています。家族は要望したいことがあっても、それが苦情と思われてしまうのではと悩んでしまいます。

ケアマネジャーの回答|具体的に要望して

お父様が入所されてから、2ヵ月ですから、ご家族も施設の様子が分からずに、不安が大きいと思います。施設から渡されたケアプランを基に、具体的な要望を話してみてはいかがですか。また、在宅時の様子やエピソードなども伝えれば、施設にとってもケアの参考になると思います。

施設職員の回答|在宅時と同じケアができない場合も

職員数が基準を満たしていても現場の介護の状況は不十分だという現状もあります。私たちも忙しくしていますが、家族からの要望は、良いケアを行うための貴重な意見と考えています。車いすの件は、転倒防止のためやむを得ないこともあると思いますが、施設側とご家族との話し合いが必要だと思います。しかし、住宅時と同じケアができない場合もあります。

特養入所中家族の回答|してほしいことを思い切って文書で提出しました

入所当初は家と同じように介護してほしいという思いが強く、歩行訓練や歯磨きのことで不満がありました。面会に行くと一人ぽつんとしており、寝ていることも多く「このまま悪くなるのでは」との心配も強くなりました。「思い切って伝えたら」と「家族の会」の先輩に背中を押され、文書でお願いしたら、すぐに検討していただき、話し合うことで施設の状況も理解できて良かったです。

介護経験者の回答|割り切ってお任せしましょう

在宅での介護が無理だと思い入所を決断されたのだと思います。不安はあるでしょうが、施設を信頼して、自宅と同じような介護はできないのだと割り切り、施設にお任せしましょう。

世話人の回答|誠意をもって、対等に…

ある方は「父の様子をお聞きしたいので、ご都合の良い時、少しお時間いただけないでしょうか」と事前に連絡し、その時に感謝の気持ちも伝えているとのことでした。どの施設でも、最終的には人と人のつながりです。お互いに、誠意をもって、対等に話をすることが大切だと思います。施設に家族会などがあれば、同じ思いの人と話し合うのもいいのではないでしょうか。

この記事の補足情報

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