糖尿病が疑われるのはどんな症状?当てはまる項目がないかチェックしてみましょう

喉が渇きやすくて水分をよくとる、身体がだるく疲れやすいなどの症状はありませんか?これらは、糖尿病の初期症状かもしれません。
糖尿病は年齢を重ねるほど発症しやすくなりますが、実は20歳以上の成人の約6人に1人が糖尿病、またはその予備軍だといわれています。
また、数年にわたって自覚症状が出にくいことがあるのも特徴です。知らないうちに進行し、見え方の変化や手足のしびれ、腎臓の働きの低下につながることがあります。
では、日常生活の中でどのような変化があれば、糖尿病を意識したほうがよいのでしょうか?
糖尿病が疑われるのはどんな症状?
糖尿病でよくみられる症状について以下にまとめました。次の章で、それぞれの項目について解説をします。
喉の渇きや水分摂取量に関する症状
- 最近、喉がよく渇く
- 以前より飲み物をたくさん飲むようになった
尿に関する症状
- 1日の尿の回数が多い
- 夜中に何度もトイレに起きる
体重の増減に関する症状
- 最近、体重が増えてきた
- 20歳の頃より5㎏以上体重が増えた
- ダイエットをしていないのに体重が減った
- 服やベルトのサイズがゆるくなった
疲れやすさに関する症状
- 最近、疲れやすくなった
- 以前は平気だった動作で疲れを感じるようになった
見え方に関する症状
- 視界がかすむ(かすみ目)
- 視力が低下する
- 物が二重に見える(複視)
- 視野の一部が暗くなる・欠ける
- 光がまぶしく感じる
- 暗いところで見えにくい
- ピントが合いにくい
- 一時的に視力が変動する
- 黒い点や糸くずのような影が見える
- 視野に黒い幕がかかったように見える
- 急に見えにくくなる
手足の症状に関する症状
- 手や足の先がピリピリ・チクチクする
- 何も触っていないのに「ジンジン」「焼けるように」痛む
- 足の裏の感覚が鈍く、小石を踏んでも気づかない
- 靴ずれや小さなケガをしても痛みを感じにくい
- 足がいつも冷たい
- 熱い・冷たいの感覚が分かりにくい
- 足の傷が治りにくい
もし1つでも当てはまる項目がある場合、糖尿病、もしくはその予備軍である可能性があります。
前半の4項目(のどの渇き、尿、体重の増減、疲れやすさ)のうち、2項目以上に該当する場合は、糖尿病の初期段階の可能性があります。
さらに、前半の4項目に加えて後半の2項目(見え方、手足の症状)に1項目でも該当がある場合は、すでに糖尿病による影響が進んでいる可能性も考えられます。
それぞれの項目について解説をします。
症状|喉が渇く・水分摂取量が多い・尿の回数が多い
血糖値が高い状態が続くと、身体の水分がうまく保てなくなり、喉が渇いたり、たくさん水を飲みたくなったりします。これまでの倍近くの水分、目安で1日に3リットル以上になる日が続く場合は注意が必要です。また、身体が余分な糖を尿として出そうとするため、トイレの回数や量が増えることもあります。
症状|体重の増減
体重や身体の調子の変化も大切な目印です。
20歳を過ぎてから体重が5kg以上増えた方は、そうでない方に比べて約2.5倍、糖尿病になりやすいといわれています。一方で、特に食事制限や運動をしていないのに体重が減ってきた場合も注意が必要です。半年から1年の間に元の体重の5%以上減る、「意図しない体重減少」がある場合は、糖尿病による体重減少を考えてもよいかもしれません。
もともとの体格が肥満傾向(BMI≧25)の場合は糖尿病の発症前に体重が増えやすく、
一方で肥満ではない場合(BMI<25)では体重が減る傾向がある、という報告もあります。それぞれの体格にあった体重変化に目を向けるとよいでしょう。
症状|疲れやすい
しっかり休んでも疲れが取れない場合は、身体のエネルギーをうまく作れなくなっている可能性があります。特に、口の渇きや多飲・多尿などの症状と重なる場合は、糖尿病による影響が疑われます。
症状|視覚での困りごと
視界がぼやけたり、物が二重に見えたりする場合も早めに対処しましょう。糖尿病の状態が続くと、目の病気(網膜症や白内障、緑内障など)を起こすことがあります。
症状|手足での困りごと
手足がしびれる、感覚が鈍くなるといった症状がある場合も要注意です。糖尿病の状態が続くと、手足の細かい神経の痛みの感覚が鈍くなって、けがや感染に気づきにくくなることもあります。
糖尿病かもしれないと悩んでいる方のよくある質問Q&A
いずれかの症状に心当たりがあり、糖尿病を心配して専門医に相談したい方も少なくありません。ここでは、糖尿病かもしれないと悩んでいる方のよくある質問についてまとめました。
糖尿病には必ず初期症状がありますか?
糖尿病は、初期の段階では自覚症状がほとんどない場合もあります。
そのため、「症状がないので健康だ」と思い込んでしまうと、気づかないうちに病気が進行してしまうことがあります。
また、糖尿病の初期症状は人によって異なるため、喉の渇きや体重の変化、疲れやすさなどの症状がなくても、慢性的に血糖値が上がっていることもあります。
特に、食生活の乱れや運動不足が気になる方、家族に糖尿病の方がいる方は、定期的に身体の状態をチェックすることをおすすめします。
早期に気づき、検査や相談につなげることが、合併症への備えにつながります。
糖尿病は初期段階で治療を行った方がよいですか?
糖尿病は早期に治療を始めるようにしましょう。
糖尿病を初期の段階で適切に治療することで、その後10年間の死亡率や心筋梗塞などの重大な合併症の発症率を抑えられることが報告されています。
糖尿病は早く治療を始めるほど予後が良くなる病気です。「まだ軽いから大丈夫」と思わず、早めの受診と生活習慣の見直しを心がけましょう。
家族に糖尿病の当事者がいる場合は、ほかの家族も糖尿病になる可能性は高くなりますか?
2型糖尿病では、特にその傾向があります。糖尿病の家族歴がある方は、より一層食事習慣や運動習慣に留意しましょう。
糖尿病のような症状を放置するとどうなりますか?
糖尿病を放っておくと、神経障害による足のトラブルや視力への影響、腎臓の働きの低下など、生活に大きく影響する合併症につながる可能性があります。
これらの症状は一度進行すると元に戻すことが難しいため、早期発見・早期治療がとても大切です。
糖尿病と診断されたら、定期的に病院を受診して血糖管理を続けることが、将来の健康を守る第一歩になります。
医療機関での糖尿病検査と治療
医療機関では、多くの場合、空腹時血糖値やHbA1cといった項目を採血検査で確認します。75gOGTTといったソーダ水のようなものを飲んで行う負荷試験を行うこともあります。
治療は、食事療法と運動療法が基本です。これらで血糖の改善が難しい場合には、内服薬やインスリン注射などの薬物療法を組み合わせて行います。
まとめ
糖尿病は、早期に発見・対策を始めることで、将来の合併症リスクを大きく減らすことができます。身体の小さな変化に早めに目を向け、健康な毎日のためにできることを一歩ずつ重ねていきましょう。
この記事の補足情報
参考文献
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著者情報
- PROFILE/ プロフィール

上田 莉子
関西医科大学付属病院 糖尿病内科 ■経歴 平成27年 関西医科大学医学部卒業、滋賀医科大学付属病院糖尿病内分泌内科、京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科、関西医科大学付属病院病院助教を経て現職。豊富な現場経験を活かし、医療関連のライターとして活躍。 ■所属学会 ・総合内科専門医 ・内分泌代謝科専門医 ・糖尿病専門医 ・産業医
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