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「高血圧の管理」認知機能を維持させるポイント
更新日:2021/12/08

「高血圧の管理」認知機能を維持させるポイント

「高血圧の管理」認知機能を維持させるポイント
WHOガイドラインの推奨

中年期の高血圧は老年期認知症のリスクを高めるとされています。高血圧は脳心血管病の危険因子でもあるため、高血圧の人に対して高血圧の管理を行うべきとしています。

中年期の高血圧は認知症につながりやすい

加齢に伴い、血管壁が厚くなり広がりにくくなるなど、高血圧になりやすい状態がつくられます1。高血圧は、喫煙と並んで日本人の生活習慣病による死亡に大きく影響する要因で2、日本人成人男性の37%、女性の27.8%が高血圧(収縮期[最高]血圧140mmHg以上)だといわれています3
日本人高齢者を対象とした調査では、老年期(65〜79歳)と中年期(50〜64歳)の血圧が高いほど、血管性認知症のリスクが上昇することが報告されています4

血圧がどのくらいになると「高血圧」なのでしょうか?

日本高血圧学会では、診察室での収縮期(最高)血圧が140mmHg以上、または拡張期(最低)血圧が90mmHg以上を高血圧としています5。自宅で測る場合は、これより5mmHg低い数値を目安にします。

高血圧予防の柱は減塩:目標は男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満

高血圧の危険因子は、食塩の摂り過ぎ、肥満、運動不足、アルコールの摂り過ぎ、カリウムの摂取不足です5。特に食塩を摂り過ぎると、体内の塩分を薄めるために血液中の水分が多くなり、血圧が上がってしまいます。生活習慣の改善によって高血圧の予防が可能です。
日本人の食事摂取基準』では、1日あたりの食塩摂取量は成人男性で7.5g未満、女性で6.5g未満としています3。メニュー選びや調理方法を工夫して、減塩を心がけましょう。

高齢者の極端な減塩は注意が必要ですので、医師に相談しましょう。

(参考文献)
1,仲尾政晃. 医学のあゆみ. 2019;270(1):112-117.
2,厚生労働省e-ヘルスネット:高血圧
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html(最終閲覧日:2021年12月8日)
3.厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』策定検討会報告書
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html(最終閲覧日:2021年12月8日)
4,小原知之 他. 老年期認知症研究会誌. 2017;21(9):80-83.
5,日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン2019』
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_hp.pdf(最終閲覧日:2021年12月8日)