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うつ病の診断基準|診断されたらすべき4つのこと

うつ病の診断基準|診断されたらすべき4つのこと

仕事に集中できない、朝起きるのがつらいといった症状が続いて、もしかしてうつ病ではないか?どのように診断されるのだろうか?と不安を感じていませんか。

この記事では、うつ病の診断基準、うつ病と診断されたらすべきこと、高齢者がうつ病と診断されたら知っておきたいことについて解説します。

うつ病の診断

日本うつ病学会の治療ガイドラインでは、アメリカ精神医学会による「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」の診断基準を採用しています

この基準のほかには、世界保健機関(WHO)による「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第11版」(ICD-11)の診断基準があります。

DSM-5では、うつ病と診断する際の症状として以下の9項目を挙げています。このうち、抑うつ気分または興味や喜びの著しい喪失(下記の1または2)のどちらかを含む5つ以上の症状が、2週間以上ほぼ毎日続き、対人関係や職業に支障がある場合に、うつ病と診断されます

  1. 抑うつ気分
  2. 興味や喜びの著しい喪失
  3. 食欲の減退または増加
  4. 睡眠障害(不眠または睡眠過多)
  5. 精神運動の障害(強い焦燥感・運動の制止)
  6. 疲れやすさ・気力の減退
  7. 強い罪責感
  8. 思考力や集中力の低下
  9. 死への思い

この9項目は、いわゆる典型的なうつ病の身体症状と精神症状の内容です。

DSM-5では、うつ病の重症度についても定義しています。重症度は以下のように、該当する項目数とその深刻さ、支障の度合いによって決まります。

【うつ病の重症度】

うつ病の重症度

診断基準

軽症

診断基準の症状の9項目中、概ね5項目を超えない程度に該当する。
症状で苦痛は感じるが、対人関係上・職業上の機能障害はわずかな状態である。

中等症

軽症と重症の中間に相当する。日常生活に明確な支障が出始めている。

重症

診断基準の症状の9項目中、5項目をはるかに超えて該当する。
複数の症状が強く、社会生活や仕事が著しく制限される。

(文献1をもとに作成)

診療科に迷う場合は内科のかかりつけ医を受診

受診する診療科に迷う場合は内科のかかりつけ医を受診し、必要に応じて専門的な治療が可能な精神科や心療内科を紹介してもらいましょう。

うつ病は内科疾患や甲状腺機能低下症などでも似た症状が出るため、“まずは内科で身体疾患を除外し、その上で精神科へ紹介” という流れは合理的です。

もちろん最初から精神科や心療内科を受診してもかまいません。

受診の目安

受診の目安は、一般的に症状が2週間以上続く場合といわれています。ただし期間が短くても、つらいと感じた場合には受診を検討しましょう。

  • 数日でも、日常生活に支障がある場合は受診をためらわない
  • 急激な不眠・食欲低下・集中力低下は早期受診が望ましい
  • 自殺念慮がある場合は「期間に関係なく」即時受診

休職するときや社会保障制度・福祉制度を利用するとき、保険手続きをするときには、診断書が必要になることがあります。

うつ病と診断されたらするべき4つのこと

うつ病と診断されたら、医療機関で治療を受けることが何より大切です。

治療の基本は、薬物療法と休養となります。休養するための環境を整えましょう。

医療機関で適切な治療を受ける

医療機関で診察を受け、ご自身のうつ病の性質・治療法・対処方法などについて把握しましょう。
治療はほとんどの場合、薬物療法が行われます。症状によっては、かかりつけ以外の病院を紹介される場合もあります。

うつ病は一人ひとり原因や背景が異なるため、薬物療法以外の選択肢(心理療法・カウンセリング・環境調整)が有効な場合もあります。

必要に応じて職場に報告する

治療は休養が基本です。必要に応じて職場に報告します。ケースによっては休職せずとも休養やストレス軽減の方法を検討する選択肢もあります。

周囲の人へ相談する

うつ病であることを職場の人や家族など周りに伝え、無理しないで過ごせる環境を整えましょう。
不適切な休養は自己回復力を損ない、病気が長引く可能性があります。うつ病治療は「社会的な支援の有無」により予後が大きく変わります。

生活習慣を見直す

うつ病になると睡眠障害を伴うことも多いので、生活リズムを整えるようにしましょう。

高齢者がうつ病と診断されたときに知っておきたいこと

若い年齢でうつ病を発症して高齢で再発したうつ病と、高齢になって初めて発症したうつ病では、病態・病状・予後が異なると言われています。

高齢発症のうつ病では脳血管の病変を伴っている可能性が高い傾向にあります。また、高齢者のうつ病は若年者のうつ病と比較すると、より慢性的な経過をたどる傾向があります。

まとめ|うつ病の診断基準と診断後にすべきこと

うつ病は、DSM-5の診断基準などに基づいて診断されます。うつ病と診断を受けたら、医療機関で適切な治療を受け、必要に応じて職場へ報告し、家族など周囲の人へ相談しましょう。生活環境を整えるほか、うつ病について正しい知識を身につけることも大切です。

この記事の補足情報

参考文献

  1. 1.

    日本うつ病学会:第1章 うつ病治療計画の策定. 日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ. うつ病(DSM-5)/ 大うつ病性障害 2016 .p10-28. [https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/20190724.pdf](最終閲覧日:2025年11月27日)

  2. 2.

    大野 裕:うつ病の新しい考え方. 総合健診 2018;45:p359-65.

  3. 3.

    厚生労働省:第1章 基本診療料. 別表第一 医科診療報酬点数表. [https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000907834.pdf](最終閲覧日:2025年11月27日)

  4. 4.

    日本うつ病学会:高齢者のうつ病の診断. 高齢者のうつ病治療ガイドライン2020. p7-9. [https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/guideline_20200713.pdf](最終閲覧日:2025年11月27日)

著者情報

  • PROFILE/ プロフィール

    大迫 鑑顕

    千葉大学大学院医学研究院精神医学 特任助教 医療法人鑑朗会メンタルヘルスかごしま中央クリニック 院長 ■Profile 精神科医。千葉大学医学部卒業後、大学病院を中心に臨床および精神医学研究に従事。摂食障害や、ゲーム・ギャンブルなどの行動依存症を主な専門領域とする。2023年にはスペイン・バルセロナのBellvitge University Hospitalに留学し、国際的な臨床研究にも携わった。現在は日本で診療と研究活動を行っている。 ■所属学会 ・精神保健指定医 ・日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医 ・日本医師会認定産業医 ・公認心理師 ・日本精神神経学会認定 認知症診療医

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