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介護保険は何歳から?利用開始年齢と保険料、使えるシーンまで徹底解説!
更新日:2025-02-11

介護保険は何歳から?利用開始年齢と保険料、使えるシーンまで徹底解説!

介護保険は何歳から?利用開始年齢と保険料、使えるシーンまで徹底解説!

「介護保険は何歳から使えるの?」「保険料の支払いはいつから?」

高齢の親がいる方や、将来の介護に備えたい方にとって、介護保険の仕組みは知っておきたいポイントですよね。

とはいえ、介護保険制度は少し複雑で、細かい内容まで把握している方は少ないかもしれません。

そこで、この記事では、介護保険が利用できる年齢や条件、保険料の支払い開始時期などの基本情報をわかりやすく解説します。親の介護や自身の老後に備えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

介護保険とは

介護保険とは、介護を社会全体で支えることを目的に、2000年にスタートした比較的新しい社会保険の制度です。

40歳からの加入が義務付けられており、介護が必要となったときに、1割(一定以上所得者の場合は2~3割)の自己負担で介護サービスを受けられます。

介護保険の保険者は市区町村で、被保険者は、以下の2つの区分に分けられます1

第1号被保険者 65歳以上の人
第2号被保険者 40歳以上64歳以下の医療保険加入者

詳しくはこちらで説明しています。

介護保険は何歳から使えるのか

介護保険で介護サービスを受けられる条件は、被保険者の区分によって異なります1

第1号被保険者(65歳以上)の場合

65歳以上の第1号被保険者は、原因を問わずに要介護認定または要支援認定を受けたときに、介護サービスを受けられます。

第2号被保険者(40歳以上64歳以下)の場合

40~64歳以下の第2号被保険者は「特定疾病(※)」と呼ばれる16種類の病気(パーキンソン病、脳血管疾患など)によって要介護状態になった場合のみ、介護サービスを受けることができます。

介護保険の利用の流れ

介護保険を利用するには、市区町村に「要介護認定」の申請が必要です。

申請後、調査員による訪問調査と介護認定審査会による審査・判定が行われ、要介護状態区分が決められます。認定結果は、原則として申請から30日以内に本人宛に郵送で通知されます。

詳しくはこちらで説明しています。

介護保険料の支払い開始年齢と期間

次に、介護保険料の支払いが始まる年齢と支払い期間について確認しましょう。

介護保険料の支払い開始年齢

介護保険料の支払いは、原則として被保険者となる40歳から始まります。

ただし、40歳以上65歳未満の社会保険被扶養者や生活保護受給者、「介護保険適用除外施設」の入所者などは、保険料の支払いが不要です。

介護保険料の支払い期間

介護保険料の支払いは、40歳になった月から始まり、65歳に到達して「第1号被保険者」に切り替わった後も続きます。

さらに、要介護認定を受けて介護保険で介護サービスを利用する場合でも、保険料の支払いが免除されることはありません。これは、介護が必要な状態になっても、社会全体で介護を支える仕組みを維持するためです。

介護保険料の納付額と決定基準

介護保険制度の財源を支える介護保険料は、被保険者の区分によって納付額や決定基準が異なります。以下で詳しく見ていきましょう。

第1号被保険者(65歳以上)の場合

第1号被保険者の保険料は、3年ごとに見直されます。

具体的には、各自治体が3年間の介護サービス費用の見込み額から算出し、保険料の「基準額」を定めます。そして、この基準額に所得段階に応じた割合をかけて個人の保険料が決定される仕組みです。

所得段階は、個人の所得や世帯の課税状況に応じて13段階(自治体によっては、19段階)に分かれており、所得が多い人ほど保険料が高くなります。 

第2号被保険者(40歳以上64歳以下)の場合

第2号被保険者の介護保険料は、加入している医療保険の算定方法に基づいて決定されます。 

・職場の健康保険に加入している場合(会社員、公務員など)

各健康保険組合などが定める保険料率と所得に応じて保険料が決まります。

保険料は、勤務先(事業主)と被保険者が折半(50%ずつ)で負担します。

・国民健康保険に加入している場合(自営業者など)

国民健康保険の保険料と一体的に徴収されます1。なお、国民健康保険の保険料は、自治体によって「所得割・均等割・平等割・資産割」などを組み合わせて計算されます2

保険料率も自治体ごとに異なり、被保険者が全額を自己負担します。

介護保険料の支払い方法

介護保険料の支払い方法も、被保険者の区分で異なります。以下で詳しく見ていきましょう。

第1号被保険者(65歳以上)の場合

第1号被保険者の介護保険料の支払い方法は、以下の2種類に分かれます。

・特別徴収(年金からの天引き)

公的年金(老齢年金、遺族年金、障害年金など)を年額18万円以上受給している方は、年金支給時に、介護保険料が自動的に差し引かれます。

・普通徴収(納付書または口座振替)

年金受給額が年額18万円未満の方と年金を受給していない方は、市区町村から送付される「納付書」「口座振替」、あるいは「電子決済(スマホ決済)」を利用して、自分で支払います。

第2号被保険者(40歳以上64歳以下)の場合

第2号被保険者は、加入する医療保険の種類によって支払い方法が異なります。

・職場の健康保険に加入している場合

給与や賞与から天引きされるため、自分で支払う必要はありません医療保険料と一緒に徴収されます。

・国民健康保険に加入している場合

国民健康保険料と一緒に、納付書、口座振替、または電子決済(スマホ決済)を利用して支払います3

保険料未納時のペナルティ

介護保険料を長期間滞納すると、介護サービス利用時に不利益が生じる場合があります。

例えば、サービス利用料の自己負担割合の引き上げ給付の一時的制限などが挙げられます。さらに最悪の場合、資産の差し押さえに至る場合もあります2

保険料の支払いが難しい場合は、減免制度の申請も行えるため、放置せず必ずお住まいの市区町村へ相談しましょう

介護保険が使えるシーン

最後に、介護保険が使えるシーンを紹介します。介護保険で利用できるサービスは多岐にわたるので、複雑に思えるかもしれません。どんなサービスがあるのか、大まかにでも事前に知っておくと、いざという時に安心です。

居宅介護支援(ケアプラン作成の支援) 

在宅の要介護者が、居宅サービスを利用するときに受けられるサービスです。ケアマネジャーが、利用者の状況や希望に合わせた居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、適切なサービスが受けられるよう調整します。

居宅サービス(自宅で受けられる介護サービス)

自宅で暮らす方が受けられる介護サービスです。訪問介護や訪問看護などの「訪問サービス」、デイサービスなどの「通所サービス」、一時的に施設に宿泊する「短期入所サービス」などがあります。

地域密着型サービス(地域で利用しやすい介護サービス)

住み慣れた地域で、個々の状態に合わせた介護や生活支援が受けられるサービスです。

通所介護・訪問介護・宿泊のサービスを一体的に受けられる「小規模多機能型居宅介護」や認知症の方を対象とした「グループホーム」などがあります。

施設サービス(自宅での介護が難しい場合のサービス)

自宅での介護が困難な方や、医療的ケアが必要な方が利用する介護サービスです。

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設に入所し、24時間体制で介護や医療、リハビリテーションなどが受けられます1

詳しくはこちらで説明しています。

介護保険の仕組みを事前に知って、将来に備えましょう

介護保険は、40歳になると加入が義務付けられ、介護保険料の支払いが始まります。ただし、納める介護保険料は、年齢や所得、加入している医療保険などによって異なります。

また、介護保険のサービスは、65歳以上の方は要介護状態となったら原因を問わず利用できますが、40歳から64歳以下の方は、16種類の特定疾病が原因である場合に限り利用可能です。

介護保険は仕組みが複雑な部分もありますが、事前にその内容を理解しておくと、親の介護や自身の老後について考える際に役立ちます。この機会に介護保険について知識を深め、将来に備えてみてはいかがでしょうか。

(参考文献)

1, 厚生労働省老健局. 介護保険制度の概要.[https://www.mhlw.go.jp/content/000801559.pdf] (最終閲覧日:2025年1月28日)

2, 厚生労働省. 令和2年度介護保険事務調査の集計結果について. 介護保険最新情報 Vol.1017(令和3年11月4日).[https://www.mhlw.go.jp/content/000851226.pdf] (最終閲覧日:2025年1月28日)

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