アルツハイマー病とは
アルツハイマー病は、アミロイドベータと呼ばれる異常なたんぱく質の蓄積と神経原線維変化という脳内での2つの変化を特徴としており、進行性の認知機能低下を引き起こします。
アルツハイマー病の病態1
- アミロイドベータの沈着
- 神経細胞の外にアミロイドベータがくっつきあって沈着する
- 神経原線維変化
- タウ蛋白が過剰にリン酸化されて神経細胞内に蓄積し、線維のような構造をとる
1中島健二 他 編集:認知症ハンドブック第2版(医学書院), 2020, 502-503.
アルツハイマー病の
疫学的特徴2
2Alzheimer's Association: Alzheimers Dement. 2020; 16(3): 391-460.
アルツハイマー病と認知症3
アルツハイマー病を起因とする認知症がアルツハイマー型認知症であり、認知症の67.6%をアルツハイマー型認知症が占める
3朝田隆:都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応. 認知症対策総合研究事業(平成23年度~平成24年度)総合研究報告書.2013
長い時間をかけて少しずつ進行
アミロイドベータの沈着は、アルツハイマー型認知症の発症の20年以上前から始まっていることが知られています。アミロイドベータがたまり始める頃は、認知機能は正常で症状もありませんが、アミロイドベータが多くたまってくると神経細胞が障害されて認知機能が低下していきます。
アルツハイマー病は生活習慣病と同様に連続性のある疾患※です。軽いもの忘れなどの症状があらわれるMCI(軽度認知障害)の状態を経て、日常生活に支障をきたすアルツハイマー型認知症へだんだんと進行していきます。
※AD Continuum(アルツハイマー病連続体)と呼ばれます